2007年4月17日

ご入学おめでとうございます!の季節に。

「コードを避けてアドリブしたい!」

特に吹奏楽やクラシックをやっていらして
「未知の開拓地」を求めてこうおっしゃる方が少なくありません。

新入学して部活やクラブで、ジャズ一年生を迎えている方に当てはまる事かもしれません。

僕が実はそうでした。

「アドリブって『頭に浮かんだフレーズ』をその場で演奏するのですね。 どうすれば頭に浮かびますか?」

「音楽教室で『頭に浮かんだフレーズを演奏してください』と先生が言われるのですが出来ません」

というご相談がありました。

で、僕自身がアドリブというかソロをとるときに「頭に浮かんでいるかどうか」 考えてみた。

『浮かんでないですね』

というと大変無責任でしょうか?

そもそも「頭に浮かんだフレーズ」と言うのは、
今まで誰も演奏したことのない何らかのメロディーラインが 突如として頭の中に『像』を結び、それを運指に伝え、なおかつ呼吸も素早く連動し 美しい(時には荒々しい?)音を滑らかに紡ぐこと・・・。

こんなこと出来るのはモーツァルトとクリフォード・ブラウン(tp)ぐらいじゃないのか?

と思うのです。

だから僕たち凡人は、そんな天才的は「頭に浮かぶフレーズ」なんて期待しません。
アドリブとは【その曲のコード進行に沿ったガイドトーンと各種ストックフレーズの組み合わせを曲想にあわせて楽器で歌う】ことです。(オイオイ簡単に言うなよ) 。
インタープレイの要素を考えない場合のひとつのたとえですが。

だからコード進行を見る(聴く)と頭に浮かぶんでなくて「指が覚えている」というのが近い気がします。

これ、「リック(手癖)フレーズ」なんて言ってコレしかやらないと「リックプレイヤー」なんて揶揄されますが。

また、リックだけだと、瞬間的に「ハマって」も後が続きません。リックとはジャズの言葉であって、言葉は常にその曲想やテンポなどでカタチを変えます。
だからリックの変化形を練習するんですね。
コレと平行してガイドトーンという一曲丸々通している(魚の骨のような)音の動きを意識します。特に新しい曲に取り組むときは。

クリニックではガイドトーンを理解して「鬼の首を取った」方が三人いらっしゃいました。

こう言い切ってしまうと、「アイツはスリリングなソロできそうもないな」、と思われるでしょうね。

もちろんそれで構いません。

僕は過去のジャズジャイアンツが遺してくれた、素晴らしいメロディーラインとそれに相応しい音色を再現するような演奏を好みます。


ですから、ソニー・スティット(as.&ts.)のような職人肌の演奏をお手本に選ぶ事が多い。

どう演ってるかが説明しやすいですからね。

ジャズとは今までありえなかったサムシングがなければジャズではない!と言う考えをお持ちの方(特に後期のマイルス・ディビスを好む方に多いようです)には実際スリルがなく物足りない演奏かもしれません。

ただ、アドリブ初心者の方に、「滅茶苦茶でいいのでとにかく頭に浮かんだ事をやってみて」というのはかなり厳しいんじゃないかと思います。

僕はアドリブをやりたい方には、最低限のジャズ理論(特にコードとビ・バップスケール)の知識は勉強しておいた方がいいと思っています。
「コードを避けたい」という方が実は多いですが、ちょっとコード進行の仕組みを理解すれば、 「アドリブらしきもの」は案外早く出来るようになりますよ。

食わず嫌いを止めましょう!

で、本日のお奨めCDです。

stitt_plays.jpg お勧めCD:ソニー・スティット・プレイズ
まずこういう基本的に分かりやすい(多分)というか聴き易い(つまり耳に厳しくない)アドリブをお手本にするといいわけです。

コレ1曲目がジャズ研の1年生必修の「ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー」です。
スティットの演奏はもうお手本フレーズの洪水です。フレーズだけでなくソロの始め方とクロージングの仕方もね。この1曲コピーすればいろんな曲に応用出来ちゃいます。

ジャズアドリブの方法はたくさんあり、画期的な方法を編み出している方もいらっしゃいますので、皆さんもご自分に合うアドリブ会得の方法を研究してみてください。

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