夏祭りアルトマンがハードボイルドになる日


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お勧めCD:サタデイ・モーニング/ソニー・クリス


待ってました!

という方がどのくらいいらっしゃるか分かりません。

初心者の方にとっておきのご紹介!

というのも

気が引ける1枚

であります。

でも実は私、この人好きなんですよ。レコードでほとんどの作品をカバーしてると思います。

はっきり言って【B級】に入れられてしまう人なんです。
理由は特に初期作品の「ああ、あのひけらかしアルトね」なんて揶揄されるほど
独特のうすっぺらい金属音とハデハデのフレーズで押しまくるスタイルに好き嫌いが分かれます。

でもそこが彼の人間くささが正直に出ていて、
彼のソロって「俺ってさ、ソニー・クリスクリスクリスクリス、ソニー村からやってきた、クリスクリスクリスクリスクリスっていうの、知ってた?」

みたいに聞こえる。

コブシ回し過ぎ。まるで夏祭りで盆踊りのやぐらの上で、カラオケマイクを離さなくなった町会長のハゲオヤジの如くであります。

「うるせーんだよ、e-Saxで吹け!」なんて言い返されそうでもある。

でも、アルト吹きで知らない方がいらっしゃったら、是非聴いてみて下さい。

もっと聴きたいとなった方は、やっぱりアルト中毒です。

何枚か聴くうちに「アルトはこうでなくちゃいけない!」となる方も必ずいらっしゃるでしょう。

この晩年の作品は「へえクリスでもこんなシブイのあったのね」
という比較的落ち着いたハードボイルドに徹した演奏。

いやバリー・ハリスのベースがね。
「俺たちのジャズだからね、渋くやろうじゃないの」って雰囲気なイントロを弾くもんだから、
クリスも抑えたんじゃないか?

CDは彼の生涯と逆に追って行かれるのがいいです。
パーカーと渡り合う1952年録音「イングルウッド・ジャム」なんてのは最後。