2014年7月 9日

ヤマジョー3連発!



アルトの山田穣さんご紹介です。
最近はソプラノも吹かれます。

最近のご活躍紹介の前に、、、。

1990年代、若手で台頭してきたジャズミュージシャンにスポットを当てた 『日本ジャズ維新JAM』というキングレコードの企画があって、 私は個人的にそのころのミュージシャンを応援しておりました。

特にドラムスの小林陽一(モンキー)さんを中心としたユニット、 ジャパニーズ・ジャズ・メッセンジャーズ(JJM)は、 私のもっとも好きなハード・バップを直球で攻めてくる爽快なバンドでした。
今も小林さんは日本のアートブレイキーの如く、 次々と若手ミュージシャンを取り上げJJMから巣立つ?アーチストは枚挙に暇がありません。

さて、山田さんはこのJJMでトランペットの松島啓之さんとの2管のフロントで、 本家ジャズメッセンジャーズのナンバーやスタンダードを奇を衒うことなく、 ストレートにスピード感あふれるソロを聴かせてくれました。

その後、一時活動を休止されましたが、 シーンに復帰後、またまた輝かしい活躍をされています。

ツイッターもユニークかつお茶目な発言で楽しませてもらえるので、 彼のライブと共にフォローをお勧めします。

前置きが長くなりましたが山田さんのアルバムを3枚。

yamajoh3.JPG

Old Chaterhydrangeaは共にピアニストの早川泰子さんとのDuoアルバム。
hydrangeaの方が録音時期が早く元々私家録音的アルバムのようでしたが、 バラードMyRomanceで始まる芯がありかつ滑らかな山田さんのアルトと、 しっとりとしながらも音の一粒が煌く早川さんのピアノは、 この梅雨の柔らかな雨に濡れ光る紫陽花のようでジャケット写真そのもの! ピアニストRayBryantからもvery nice!のコメントが。

Old Chaterは以前知人から借り受けて内容を知っていたため僕の本でも紹介したのですが(『まるごとサックスの本』青弓社、30頁)、 ぜひとも手元においておきたく注文しました。 こちらは選曲の幅が広がりお二人の感性とテクニック、そして歌心を存分に楽しめます。

デュオというフォーマットでビバップの快速調はとても難易度が高いですが、 中でもモンクのRhythm a Ningなどお二人のタイム感の良さとスイングフィールに圧倒されます。

SMILE/JAZZEDは最近リリースされたアルバムでドラムスの古地 克成さんベースの池田 潔との、 コードレストリオです。
ジャズ好きにはわざわざコードレスと書く必要はありませんが、 このアルバムを聴く限りコードレス感がまったくありません。
苦み走った山田さんのアルトだけだなく、 3人のアーチストが紡ぐ音のうねり、迸るパッションのぶつかり合い、 それらエネルギーの昇華する様にぜひ身を投じていただきたい。

ライブに行くのがベストですが、 CDでも出来るだけいい音響装置で出来るだけ音量を絞らずに音を「浴びて」ください。

CDのお求めは・・・

Old Chater・hydrangeaは早川さんのウェブサイトから、


SMILE/JAZZEDは山田さんツイッター、facebookなどを通じ極力直接アーチストからお求め頂きたいと思います。
2014年3月26日

名手John Park (alto sax)をご存じですか?



名前でググルと韓国の俳優さんがヒットしますが、
本日のご紹介は日本でほとんど知られていないアルト(テナーも吹くけど)の名手のジョン・パークであります。

上のリンクはもはや入手できないと思われるワンホーンでのLP「If Winter Comes」をまるごと1枚UPしてくれたナイスな御仁がおれますので、シェアしたいと思います。

他では、これまた日本ではあまりスポットライトが当たらないビッグバンド「スタン・ケントン楽団」に在籍したリードアルト奏者として、ライブ盤ではバラード「Street Of Dreams」でその艶やかなトーンで歌う華麗なプレイが聴けます。


彼の演奏は強烈なビートと泥臭いブルースフィーリングのカンザスシティ(KC)スタイルという説明もあるようですが、良く知られたスタンダードのソロを聴いてみると結構モダンなこともやっていてかなりのテクニシャンぶりが楽しめるでしょう。
2014年3月 4日

サイモン・コスグローブさん、GREAT!



日本で活躍中のイギリス人サックスプレイヤーMr.Simon Cosgroveをご存じでしょうか?
とても流暢で上品な日本語を話されるので永らく日本で生活されたのかと思ったら下記の様な経歴の方でした。

1982年イギリス生まれ。17歳の時BBCの音楽コンクールで受賞。
2000年ケンブリッジ大学に入学し、音楽を専攻し首席で卒業。
大和日英基金の奨学金で2003年に来日し邦楽を勉強、尺八をマスター。
2004年より日本でプロジャズミュージシャンとして活動。
東京でDuke Ellington OrchestraやMartha ReevesやDuran Duranと演奏。
2004年に釣りバカ日誌16のミュージシャン役として出演。
2008年より吉乃川のCMに出演。2010年1月にリーダーとして初レコーディングデビュー。
2012年インドのJus' Jazzフェスティバルで出演。
現在Simon Cosgrove QuintetやStandard Reform Projectのリーダーとして全国で活動中。
と、実に多芸多才なご経歴。

TimeOfficeアーチスト情報より流用させていただきました。

上のビデオでは「素晴らしいマウスピース」と紹介をされていますが、
演奏も極上のジャズを披露されておりますね。

で、驚くなかれ、ピアノの腕前がこれまた・・・


物凄く頭の良い方で練習量も半端ないんだと思いますが、神様、彼に才能を与え過ぎです。

彼のCDはこちらこちらで買えます。

強力にお勧めであります!!
2013年6月 3日

銀行でサダオさんにお会いしましたよ!?

sadao0603.jpg

いえいえ、今月の「R銀行」のフリーマガジンです。
もうご覧になった方もいらっしゃいますか?

少し内容をご紹介しますね。。。

今年で80歳!を迎えられたサダオさんですが、
まだまだ自分に納得されていらっしゃらないとのこと。

仕事の度に「コンチキショー」と思う。

自分に納得しないことが元気で意欲的でいられることなのだそうです。

25年ぶりのブラジルレコーディング、
sadao_disc.jpg「オウトラ・ヴェス~ふたたび~」
僕たちもサダオさんに元気をいただける一枚です。

このフリーマガジンの巻頭インタビュー記事でサダオさんがとてもイイことを仰ってます。

それは、
若い時に目指していたのは「上手いプレイ」。
年齢を重ねた時に目指すのは「いいプレイ」「いい音」。


そう、「いい音」っていうのは上手いプレイよりも次元の高い目標となるのですね。
これに気付いた方はもう始めていらっしゃいます。

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サックスの音作りに特化した90日間集中講座 
2011年12月15日

平成版J-V.S.O.P!!!

JAZZプレイヤーの低年齢化が著しいですが、ただジャズやってますというのではなく、
そのスキルが物凄い皆さんをご紹介します。

あきは・みさきBAND

アルトの中島あきはさん、ドラムの中道みさきさんは共に現在18歳。
現オリジナルリズム陣は20代ですが皆さん超強力であります。

すでに関西圏ではその実力がじわじわ知られてきているようですが、
youtubeで確認できる彼女たちの演奏を視聴すれば、
ただものではない!ことが解ります。

さて、アルトの神。
parker.jpg
チャーリー・パーカーに衝撃を受け~、という公式HPのプロフィールで確認できる、あきはさんの横顔ポートレートは、 まさにパーカーが宿っていると伺えないでしょうか?
↓↓↓
公式HPのプロフィール
平成若手女性アルトのなかでは一番バップ色が強いと思われるあきはさんですが、
伸びやかな彼女たちの音色は日本を元気に応援してくれるようにも聴こえます。
2011年6月 7日

節電の夏、スパイロジャイラの夏。

moningdance.jpg Morning Dance
さて、その昔(?)ニューポートジャズフェスティバルin斑尾(まだらお)というジャズフェスがありまして、 学生時代その第1回目に斑尾高原で合宿をいたしました。

今思えばこのジャズフェスは凄いメンバーでした。ディジー・ガレスピー、ロン・カーター、マッコイ・タイナー、トニー・ウィリアムス、フレディー・ハバード、ジェリー・マリガン、カーメン・マクレイ、 日本からはネイティブサン、佐藤允彦さん。

さて、この第1回目の目玉であったのが、名曲MorningDanceのスパイロ・ジャイラであります。
ヤマハのサックスを吹くジェイ・ベッケンスタイン(今や還暦!)の日本語MCが愉快で、有名なヴィブラフォンのイントロが始まると、 スコール土砂降りの会場が総立ちになったのを覚えています。

30年前のフュージョンミュージックですが、シンプルで明るいこの曲は、今聴いても新鮮で、 何か辛いことがあっても、
「前を向いて行こうじゃないか!」
という気分にさせてくれると思います。

TOHOKUの復興は長期戦です。
この夏はあんまり夜更かししないで、モーニングダンスで節電と行きましょう!

あの伝説にも通じる動画もチェック!!
↓↓↓↓↓
morning dance 1991
2010年9月 6日

和製若手レディースのJAZZ界道場破りアルバムはどうだ?

terakubo.jpgNORTH BIRD

寺久保エレナさんであります。

数年前に首都圏ライブハウスを一軒ずつ回ってデビューしその後何枚もアルバムをヒットさせている女性アルトプレイヤー(長い!) とどうしても比較してしまいますが、技量的には頭一つ(二つ?)抜けていらっしゃる感じでしょうか。

楽器のコントロールも相当上手いし、ジャズも随分と勉強され、 サダオさんや佐山さんの薫陶を受けた(?)逸材です。

レコーディングのサイドメン(というのも憚られる御大)にサポートされ、ずいぶん贅沢なデビュー。


koketsu.jpgStruttin'

纐纈(こうけつ)歩美さんであります。

寺久保さんより少しオネエサンの纐纈さん。こちらは国内一流のバックを従えてやはり王道ジャズのナンバーをご披露。

正統派のコーチを受けてきた堂々たる演奏、ごりっぱであります。

アーチストとしての演奏の詳細に渡る出来や、将来性については、 たくさんのレビュアーの方や評論家の皆様がのたまっておいでなのでお任せしますが、

それにしても、

ジャケットのアートワークがいただけない。

特にジャズのCDはジャケと内容がシンクロして「良いアルバムだな!」と思う世代にとっては、 かなりガッカリしませんかね?

ジャズって「奏者そのもの」を聴いてみたい音楽だと(私は)思うので、
スタイリストがその人のセンスでコテコテに作ったジャケットの世界観とアーチスト自身に物凄い乖離を感じてしまう。

一方はその「美貌」にフォーカスしたみたいですが、 彼女だって顔で売るつもりはないだろうし(キレイだけど)、

なんかせっかく頑張ってきてる彼女たちを周りの大人が「売れるように利用」してる気が随分といたします。

だから、グダグダ言ってねーで、
彼女たちのライブに足を運んで応援しましょう!!という結論。


2010年6月25日

世界に誇るJ-JAZZの旗手

mindscape.jpgお勧めCD:マインドスケープ
藤陵雅裕さんであります。

熱帯ジャズ楽団やRITSUCO ENDO with FRV! での活躍は言うに及ばず、NHKへの楽曲提供、 JAZZLIFE誌をはじめとする雑誌等の記事執筆、そして後進の指導・・・。

高い音楽性と熱い人柄を併せ持った現代日本を代表する優れたアーチストだと思います。

なんで今までリーダーアルバムが出なかったのか不思議なくらいだったのですが、 やっとご自身のコンセプトをカタチにされたのか、待ちに待ったJ-JAZZがやってきた!という感じです。

実は私は藤陸さんを知ったのは遥か25年前に遡ります。
当時フュージョンという言葉が出たばかり?だったと思うのですが、 パーカッションを多用した16ビートのラテンフュージョンが大流行りした時期がありました。

私は当時FMエアチェックばかりしていて録ったカセットテープが700本くらいあったと思います。

である晩、キーボードの今田勝さんのバンドのライブがあり、そのアルトプレイヤーが藤陵さんだったんですね。

「え、このアルトなかなかいいじゃん」(藤陵さん、スイマセン)

なんて思いました。
なぜかというと今田さんの元アルバムでフィーチャーされていたたアルトはあのデビッド・サンボーン氏や本多俊之さんだったからです。

だから、当時新進気鋭のミュージシャンだった藤陵さんはその時点からキラリと光るものが「かーなーり」あったんだと思います。 いまではいぶし銀のと言うと語弊があるかもしれませんが、より円熟したアルトと唯一無二のソプラノの音色が聴く人に「音楽の喜び」を与えてくれると思います。

J-JAZZをわざと聴かない人がいるようですが、損をしていると思いますよ。
藤陵さんの今後ますますのご活躍を応援させていただきます。
だって同世代ですからね、ワシも頑張らねば!


2010年2月13日

祝!マイ・ファニー・バレンタイン


今日はバレンタインデイにふさわしい動画を見つけましたのでシェアしたいと思います。
スムース・ジャズのSaxman ; Randy Sherwood氏は日本ではあまり知られてない相当のキャリアを持つミュージシャンですが、私は彼の吹くスタンダードがとても好きです。

彼のサイトを見るとウェディングでのBGなどハッピーな場所で『応援』することが多いようで、
音楽で人の幸せを願うこと
を人生の楽しみにしていることを強く感じます。

ユーチューブで彼のライブ動画がたくさん見れます(聴けます)のでこのサウンドにピンと来た方は、 みんなで応援しましょう!
2009年12月15日

クリスマスにスムースジャズを聴いてみる。

お勧めCD:A Smooth Jazz Christmas dave_koz01.jpg
サックス奏者だってクリスマス企画アルバムを作ると、
「売れる」。

このセオリーにしたがってフュージョンサックスプレイヤーが作ったアルバムです。
と書くと怒る人がいるかもしれません。

確かにヒットはしたんだけども、これ、クリスマス企画だから売れたというより、 彼の音楽性で売れた、とサックス関係者としては思いたいです。

「スムースジャズなんて、ジャズじゃねえ!」と頭の固い評論家にダメ出しを百万回されても、 「もう慣れた」と軽く受け流すDaveKoz。
何しろ世界一【歌うように吹く】プレイヤーではないでしょうか?

彼の使う楽器はヤマハです。

アルトは15年、ソプラノは22年もヤマハを使っているそうです。

セルマー信仰の人で彼の演奏を聴いたことがなければ、 こういう音を日本の楽器が奏でられるのを知ると良いです。


しかしどうでも良いけど、オトーサン!こういう風にサックス吹けたらなー、って思いません?
それはともかく、彼を初めて見る人なんかこの映像見て気が付きませんか?

そう彼、ストラップなしでアルト吹いてますよね。

確かに首への負担はなくなるし呼吸も楽になると思いますが、 落としそうでハラハラします。
特に初心者の人はお気をつけください。
それとこれ、イメージ映像ですからね!浜辺で吹くのはあまりお勧めいたしません。
楽器傷みます。

ということでクリスマス月間今年最後のご紹介はディヴ・コズ氏でした。

左下の流れるウィジェットは彼の流れるようなサックス満載です。
2009年7月 7日

薔薇+シアサッカー+テナーの夏男求む。

turrentine.jpg
お勧めCD:Dearly Beloved / Stanley Turrentine


梅雨明けが間近な?東京地方であります。
さて、夏になりますとシアサッカーのジャケットに黒のニットタイをしていた広告代理店時代が懐かしいです。

銀座通りでそういうカッコウをしているのは大概代理店マンで、
「あ、あいつもサボってる」というのがバレバレでした。

だったらそんな目立つ格好すんナっつうんですけど、
せっかく松屋の

「銀座の男市」

¥19,800で買ったのでみんな見せびらかしたいんですよね。 で、派手なのはジャケットだけじゃなくて、スーツになってるやつです。
でシャツは、ピンクのボタンダウン。

このコーデで靴は「黒か、茶か」で一日中仕事せず争っている先輩もいました。(茶だと思うが)

え~前振りが長くてスミマセン。

シアサッカーのジャケットを颯爽と着こなし、誰に渡すのか薔薇の花束に柔らかな視線を送るタレンタイン。かっこええなあ、黒人だから余計にかっこ良い、くそ。

ブルーノートのレコードでおそらく最も明るいジャケットデザインでありますね。
どちらかというと「ただでさえ夜」のイメージのジャズレコードでありますが、 タレンタインも「ブルーアワー」「ミッドナイトブルー(ギターのケニー・バレル名義)」という深夜は任せろ的アルバムがある一方で、このような「真昼」というか「ひょっとすると午前中かもしれない」恐れのある(まどろっこしいな)アルバムもこしらえたのは、おそらくこのコットンジャケットが自分ではこれほど似合うと思わなくて、写真を見たら「これならあの彼女に見せ付けたい!」 と考えたんだと思う(うそをつけ)。


さて、お待たせしました。

実は現代テナーの人気者エリック・アレキサンダー君が
「僕の中には、タレンタインがいるのですよ、ふっふっふっ」
と言ったことがあるのをご存知でしょうか?

「俺はコルトレーン」「いやロリンズだ」「レスターさ、じつは。」テナーマンは自分のルーツを語るときこういった巨人の名が聴こえてきますが、タレンタインをなんの衒いもなく挙げる人は少ない。

エリックがCD「ニューヨークの休日」でDearly Belovedを吹いているのはこのアルバムの影響なんですね。

だからエリックをお好みの方は、こちらのアルバムを是非聴いていただきたいと思うのです。

セッションで定番の「My Shining Hour」なんかもハッピーフィーリングで太陽燦々であります。

いっつも黒い服着てる御仁、この夏はシアサッカー着こなしてテナーを吹いてみてはいかがでしょうか!?かっこよろしいでえ。


2009年5月18日

アートペッパー<3>

soinlove.jpgお勧めCD:So In Love / Art Pepper

今月は日本人の皆さんにとっても人気のアート・ペッパーであります。って書くと
「へ~ん、お前さんは、日本人じゃねーのか?」といわれますね。もちろん日本人ですけどね。

で、よく言われる「日本人はマイナーキーのジャズが好き」というのは本当でしょうか?

私は、演歌や歌謡曲(古いな!)などのマイナー曲好きの人に「たまたま受け入れられ易かったのがマイナーキーのジャズ曲であった」、という気がしております。

チャーリー・パーカーなんかマイナーキーの録音は数えるほどしかありません。

ところがペッパーの演奏には確かに「マイナーキー」の名演が多い。ユビソ(You'd Be So Nice To Come Home To)しかり、ベサメ・ムーチョしかり、そしてこのアルバムもタイトルチューン「So In Love」がそうだ。曲名を聞いて?の管理人同士の皆さんも、この番組のエンディングテーマといえば鮮明に思い出されると思います。

この曲が流れると、「あー明日は月曜かぁ、いやだなあ」なんて思ったものです。

それはどーでもいいのですが、このアルバムの「ソー・イン・ラブ」は日曜洋画劇場っぽくない(?)アップテンポでめちゃくちゃカッコのよろしいソロが聴けます。

何もペッパーはマイナーキーが多いからいいのではありません。

溌剌とした音色でフレーズが澱みなく繰り出される50年代ペッパーもいいし、永らく麻薬で世間から距離を置かねばならない時期を経てやっと復活した70年代の後期~晩期も「神が乗り移った」様な演奏も聴け、どちらもたまらない魅力があります。

後期では「ビレッジ・バンガードの木曜日金曜日土曜日ライブ版」を是非お聴きください。

LPでは片面たった1曲だったチェロキーにぶっ飛んだ「土曜日」がトドメです!


お勧めCD:Saturday Night at the Village Vanguard/Art Pepper saturday.jpg



2009年3月13日

ちょっとヤバイ五人組

本日は香港在住の90日講座会員Maikoさんによるライブレポートの投稿をご紹介いたします。

ぴろんぽろん...
ずんずずんずずんずずん...
てけてけてけてけ...
しゃんしゃしゃ~ん...ちちち...
たりらぱりらぴ~っぷぷ~...

kg.jpg

これは「Dr.スランプ」の則巻先生の所に居るがっちゃんの言葉ではありません。
キーボード、ベース、ギター、ドラム、サックスの音です。
個別に耳を済ませると特別な音の流れがあるでもなく...。でも、これが一緒に鳴ると「えっ?何これ?どうなってんの?」...2月10、11日に観てきたチック・コリア・バンドのコンサートの様子です(笑)。もう1ケ月経っているんですね。「先生にメールで感動をお届けしたい。」と思いながらすっかり遅くなりました。でも、コンサートでのプログラムを見てるとやっぱり思い出します。で、ドキドキしてきます!!

ワールドツアーの最中で香港はアジア3ケ国開催のうちのひとつ。日本からの移動だったみたいです。 チック・コリア(ピアノ、キーボ-ド)、ジョン・マクラフリン(ギター)、クリスティアン・マックブライド(ベース)、ブライアン・ブレイド(ドラム)...。

で、たりらぱりらぴ~っぷぷ~...とアルト・サックスを手にしてるそのお方はケニー・ギャレット!! ドソドソ...ラレラレ...ミシミシ...ドドド~(インターバルの練習???)
ドレミファソラシド...ドミソミド~(スケールの練習???)
彼のサックスから出ている音のフレーズってばこんなのばっかり。

でも、これが他のキーボード、ベース、ギター、ドラムと絡むと練習のようなフレーズが曲?に化けるんです。他の奏者だって同じです。がっちゃん言葉が曲になるんです。

だいたい登場からして変?!でした。チック以下1人出てきた...2人目出てきた...ってな感じでばっらばら。みんなそれぞれ出てくる時に観客に向かって手を大きく振って挨拶。で、思い思いに音だしを始める...。で、誰も観客の方なんて向いていないし私(も他の観客もそうだと思う)はてっきり「準備」だと思ってたらだんだん音は大きくなっていくし...気がつけば「何何何???曲もうはじまってんのぉ?!」状態です。

演奏中にみんな「イェ~イ」「Wow」とか言ってるし、近くの人同士喋ってるし、途中でジョンはステージ奥に移動して

鼻かみだすし...。(花粉症か!)

ドラムのブライアンなんかはステージの間中「やんちゃな坊や」状態。がんがんドラム叩いてるんですが「お~い、坊や何があなたそんなに楽しいの?何がそんなにおかしいの?」ってな位満面の笑みではしゃぎっぱなし。

悪い表現ですがおじさん達全員「イッて」ましたね。はい、非常にヤバい感じです。
何かに憑かれているような感じです。各演奏者は曲の間に休憩状態?になる部分もあるのですが、ケニーなんかは会場のホールの上をぼぉ~(っとではないんでしょうが)っと見つめながらもその体はリズムにノるようなノらないようなゆ~らりゆ~らりと揺れっぱなし。「おいおいおい、ヤバいヤバいヤバい...。」です。
でも、大丈夫なんですね。音を出してなくてサックスを咥えていませんが...指がキーの上をずっと動いている。他の人と休まず一緒にプレイしてるんです!!

各曲のキーフレーズのようなものはあります。出だしと中間と終わりに全員で絡む...でもあとはみんなアドリブだと思います。あれが全部記譜されている曲だとしたら譜面は音符のつぶつぶで真っ黒になります。間に休憩が入って2時間弱の演奏。曲は都度タイトルが紹介されたのですが前半1時間、後半1時間ともに3曲。1曲辺り20分計算です。それぞれで出しと中間と終わりのキーフレーズ以外はず~っと「好き勝手」状態。でも、「好き勝手」では当然ない訳です。ギターとベースで絡む、そこへサックスがかぶる。ドラムはず~っと演奏をサポート状態でリズムを刻む。キーボードがちょこちょこっと粋に割り込む。と思ったらサックスが前へ出て来る。もちろん他は音を押さえつつも演奏は続いていてサックスを引き立ててます。ケニー同様本当に休憩に入ってもやはりどの方も手は動いてるんですよ。こんなのがノンストップで続く訳です。...圧巻。

ちなみに曲は、前半、Raju→The Sky→New Blues, Old Bruiseの3曲で、後半は、Senor CS→The Disguise→Dr. Jackleと紹介がありました。

どうしてもケニーの演奏に目が行ってしまったのですが、ステージの5人ともそうなんですがとにかくブッとんでるというかイッてるというか...彼の奏でるフレーズだけをある意味冷静に聴くと「う~ん。」と思ってしまいます(私の理解力、感性の未熟さはここではどうしようもないので横に置いておきます。)。

でも、他の4人のメンバーの各人の音と違和感がないし、やっぱりかっこいいんですよ。「う~ん。」なフレーズが4人のメンバーの音にぴったり隙間なくはまってるというか、きっちりかみ合う、絡んでいるというか。ってことはある種の計算もあるのか?とも思うのですが。

いつもがんがん音が出てる訳でない。派手目なプレイでギターが前に出てきてるんだけれどその音の合間合間に何か「???」って音が小さい音ながらも「音ここにあり。」という音が耳に届く...その音がケニーの音であったりする訳です。もちろんケニーが前に出て...の場面もあります。で、どの音もやっぱりその瞬間そこに必要な音なんだというのが感じられる訳です。だって全体の雰囲気がやっぱりいいですから。

実際に計算があるとしたらケニーをはじめステージ上の5人の方々ってば2時間それこそコンピューター走らせっぱなし状態ってことですよね。でも、自然に自然にそれができてしまう、楽器を手にもったら計算だ、何だ考えずにオートでその計算が始まってしまう...なら「天然(コンピューター)?!」ってことですか?

結果的に2時間ちょっと(間に休憩が15分)なんですがあっという間でした。
2日間の公演でした。2日とも私は行ったのですが、2日目はサプライズがありました。

1日目の公演はアンコールはなし。会場も照明がすぐ点いてステージ上も現場スタッフが備品を片付け始めたりしたので観客も自然にさ~っと退散。

でも、2日目は会場の照明も点いて、片付けも始まって...前日と同じなんですが観客が違った。 なぜかみんな帰らないしずっと拍手拍子で「お願いもう一度出て来て~。」というお願い状態。...とチック以下みんなが再登場。大きく手を振り挨拶を。で、さようなら...。
こうなると観客は押せ押せムード。「せっかく出て来てくれたのなら何か1曲!!(あつかましいですね)」で拍手拍手。ただ、会場は明るくなってるし片付けはどんどん進んでいる状態。半分位の観客はあきらめてその場を去っていたのも事実です。

.........。チック以下またまた出てきた。何とその時、ジョンとケニーはさっき首から外していたストラップをして出てきたのです。みんながそれぞれのポジションに。観客のアンコールに応えてくれるようです。

さぁ現場のスタッフが慌てた慌てた。引っこ抜いたコードなんかを急遽再度接続するハメに。 チックやジョンが「大丈夫かい?!」ってな感じでスタッフに目で確認してます。 観客も本来の自分の席なんて無視(...だって観客は半減してますから)。 ステージそばで立って見始める人も居たくらいです。

だいたいステージのセッティングが戻ったかなぁな状態の時にチックがキーボードで短いフレーズを奏でます。それにあわせるようにドラムがリズムを刻み始める、それにチックがまた新しいフレーズを重ね、ベースがのっかり、ギターがのっかり、サックスがのっかり...。5人5人が思い思いのフレーズやリズムを自身の楽器で紡ぎ出します。演奏事態は5分少々だと思いますが、鳥肌もんでしたね。私のすぐ横で見ていた白人男性は自分もドラムを叩くんじゃないでしょうか、すぐ前に誰も座っていないのをいいことに、「エアー・ドラム(笑)」状態で5人と一緒にプレイしていました(ご本人はしているつもりでしょう)。

帰ってしまった観客の方々にとっては大きな損失ですよ...これは。
楽しかったです。

そうだ、ケニーが足を怪我したのか(もともと悪い方ではなかったような)、左足の膝を時折さすっていました。歩くときもちょっとひきずり気味に歩いていたんですよね。辛そうな様子ではなかったですけれど。

しばらくサックス奏者のコンサートはないかなぁって感じです。でも、コンサート情報まめにチェックしてどなたかがいらっしゃるなら観に行こうと思っています。やっぱりライブはいいですね!!

Maikoさん、いつも有難うございます!
ギャレットファンは世界中でどんどん増えているみたいですね。先日もある受講生の方とお会いしたらやっぱりギャレットファンで、なかなか音も「G党」しておられました。

ということで今月のサックスアーチストはケニー・ギャレット。

コアな情報がダントツのファンサイト掲示板はもちろんチェック済みですよね!

K.G.Maniax!!
2009年2月10日

受験の季節に想い出す。

boomerang.jpg
お勧めCD:ブーメラン


長らく更新がストップして申し訳ございません。

2月も中旬近くなってしまいましたね。
受験生の皆さんが頑張っていらっしゃるころでしょうか。

さて、今日ご紹介いたしますのは、この受験を思い出して。

私が受験した学校はこの方がいらしたからなんであります。

本多俊之先輩。当時はまだフュージョンという言葉が定着していなくて、クロスオーバーなんて言っておりました。

入学式当日に本多氏がいるはずのジャズ研の部室をどきどきしながら訪ねると。

「え、本多さん?去年卒業したんじゃないの?」

がーーーーーん!

わしはワシは、何のためのにわざわざ大阪からこの学校の入学を目指してきたのだ、 (勉強するつもりはないのか)と大きく落胆したのであります。

本多さんがいなくても、最初に購入したサックスはファーストアルバム「バーニング・ウェイブ」の747ウィンドフライトのソプラノに痺れてしまったのでヤナギサワ(プリマ・エリモナ)のソプラノをローンで買ったのでした。

そして以後、本多さんのレコードはリリースされたものはすべて買い求め、 下宿の壁に特製のLP掲示枠を作って毎日拝んでおりました。(拝んでも上達しませんよ皆さん)

今ではそれらの音源は入手困難になっていましたが、ブーメラン! このアルバムは嬉しいことにCDで再発されております。もう1枚イージー・ブリージングもCDになりましたね。

80年代前半のフュージョンミュージックは

「突き抜ける」

という言葉で表現されることが多かったような気がしております。

なんかこう青空がスカーッ、青い海がパーッみたいで、 どのアルバムの1曲目もスピード感溢れるカッコいい曲かハッピーフィーリングでウキウキチューンのどちらかでドライビングミュージックにもってこいでありました。

でもアルバムを今聴きなおすと、4ビートジャズあり、本格ラテンナンバーありでこの偉大な先輩の「広い耳」とその技量は当時としてはやはりものすごいエネルギーを持った方だ、と再認識する訳です。

その後「マルサの女」などの映画音楽やテレビや劇音楽の作曲活動にシフトし、クラシックの須川さんとのコラボなどに活動を広げられますが、昨年は村上ポンタ秀一さんのユニットで東京ミッドタウンのライブで懐かしい音を聴かせて下さいました。

本多さん!ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
」皆さんも是非聞いてみて下さいね。
2009年1月 5日

基本に忠実。

えー、新年おめでとうございます。

本日のタイトルは何か、
と申しますと今年の経営スタイルとか、生き方の心構え とか、 不況の時代を乗り切るには、よそ見をせずに【基本に忠実】をコツコツやるのがいいという話を聞きました。

そしてこのフレーズにしっくり来るサックスアーチストは誰かな?と考えて真っ先に思ったのがこの人、ハンク・モブレー。

hank mobley.jpgソウル・ステーション

ジャズテナーの基本といったら、やっぱりレスター・ヤングあたりをご紹介すべきなのかもしれませんが、なんか「真面目にやっていけば今年の夏ごろまで必ずやいいことが訪れる感じのするテナー(なんだそれ?)」はこっちの人の気がするのです。

で、「愛すべきB級テナー」とか「江戸職人気質テナー」とか褒めてるんだかどうだかの称号が付くモブレーですが、テナーサックスという楽器は「こう吹く」と「幸福」である、ということを示してくれるアルバムがこれ。もちろん最高のリズムセクションがこの【幸福】の条件でもありましたが。

セッションで「リメンバー」や「ジス・アイ・ディグ・オブ・ユー 」を指定すると、 「なんだ、モブレー好きか」なんてバカにする人がいますが、そういう人はもう少し基本に忠実な演奏を省みないと、今年あたりはいい思いをしませんですよ。



そしてそして、この録音は管理人である私の生まれた1960年。
まさに基本が始まる60年代であります。

アウトフレーズやフラジオがテナーサックスのかっこよさだと思っている人がいたら、
それはかなり【薄い】テナーといえます。

テナーの基本は聞く人が幸福になる「暖かい音」だと思いませんか?
テナーマンの皆様、ぜひあなたの陽だまりのような音で一人でも多くの人を幸福にしていただきたいと思います。

「リカード・ボサ・ノバ」が入っている「ディッピン」も是非一家に1枚。こちらもご利益がありますので、お茶の間の西側の壁に掲示されるとよさそうです。
2008年12月 1日

サダオさん、香港コンサートレポート到着しました!

香港在住のMaikoさんによるコンサートレポートです。
Sadao01.jpg 予定開演時間は午後8時。当日は朝から「残業はしない。」と同僚に言いまわっていました(笑)。中途半端に仕事を抱えこむと遅れたりすることになるので(笑)。ちゃんと無事に退社できました。ほっ。

で、実際のコンサートもほぼ定刻通りに始まりました。会場のライトが消えてステージがライトアップ...と同時にご本人以下登場。大歓声です。

ステージを始める前に「私のパートナー達を紹介...」とキーボード&ピアノ、エレキギター、ベース、ドラム、そしてセネガル出身の方(パーカッション)を紹介。そして、ご本人がご本人を「渡辺貞夫です。(わかってるってば!!!)」と。

香港でのコンサートは実に7年ぶりだそうです。前から5列目のど真ん中。心臓バクバク興奮いっぱい、肌だってビリビリ震えてマッサージ効果もあったんじゃないかと思う程「無問題(モウマンタイin広東語:No problem)!!」で楽しんできました。

超至近距離で渡辺貞夫さんがサックス吹いて、微笑んで、歩いて、走って(クドい?!)...るのを拝めました。思い出すだけで泣きそうです。近いといってもステージ全体を捉えられる距離です。前に座っていた方が小柄だったので「絶景」でした。

いいオジさんがステージの上で何をにこにこ...かもしれません(コールマン、ケニーG...このお二人もそうでした)が渡辺貞夫さんも実に楽しそうに演奏しています。演ってる人が本当に楽しめているので観ている/聴いている人間も楽しめる/感動できる/感じることができるんだなって思いました(今さらですが)。

「Basie's At Night」の中に収められている曲の他、ご本人のオリジナルの曲を多く聴かせてくれました。各曲の前にそのオリジナルの曲については「この曲は私が○○年頃に●●で3ケ月程過ごしてた時のもので...。」みたいな感じで説明をしてくれました。へぇ~と思ったのが「ある日、夕方ビーチに出ると女の子が言葉はわからないんだけれど何かを歌っていて...。」とか「街中であるご婦人が口ずさんでいたメロディが...。」とか、あるいは、「現地の人が何かの作業をしている時のその作業の流れにリズムがあって...。」というオリジナルの曲になる"きっかけ"。どの曲も素晴らしい曲で「ちょこっと聞きかじった歌、ある人が口ずさんでいたメロディがこんなに素敵な曲になっちゃうのね。」って感じです。

今やご本人それなりのお年です。頭だって真っ白です。
でも、やっぱり渡辺貞夫さん。その笑顔は私が中学生位の頃に見た男性化粧品のCM等に出ていた(私の記憶では草刈正雄と一緒ではなかったか?!)頃と同じです。

注:これです。

ご自身のパートでない時だってノリノリ。タンバリンは出てくるし、...缶の茶筒みたいな中に砂でも入ってるんでしょうね振るとしゃかしゃかいうのがありますよね、あれを振り振り...。はてはご自身のサックスのベルの所を指でタップして。ご自身のパートで無い時、とにもかくにもじっとすることなく動く動く。スローな曲(The Shadow of your smile / Call me...)の時はエレガント?!に踊っていたでしょうか。

アップビートの曲(See What Happens等)...もうどうしましょうって感じです。指が踊る踊る、息が続く続く。超早いフレーズでも音域も広くても全然大丈夫(って私が心配する必要はありませんが)。

一番始めのノートが高音でもスパーンと出てくる...のは自分も練習しているのでやっぱりため息ものです。逆もしかり。お腹にずっしりと響く低い音がドーンと出てくると、「はぁ~。」とまたため息です。楽譜を見るならびっしりとおたまじゃくしが上から下まで並んでるような状態でしょう。

はっぷ...と息を吸ったと同時にぶわ~っと「一息で一体いくつの音を並べました?」って紅白歌合戦で数を数える野鳥会の人の手だって「しびれて動きません!!」って文句が出そうな位沢山の音が出てくるんです。渡辺貞夫さん、75歳。年初に聴いたオーネット・コールマン78歳。凄すぎます。

十分前の席で見ているのに更に身を乗り出してしまい、というかぐんぐん引っ張られてしまいました。Orange Expressなんかが流れ始めた時は「え~...もうどうしましょう。」って感じです。また、このOrange~は一旦ステージを終えてミュージシャンが皆さん舞台の前に整列挨拶をした後の曲だったのです。

貞夫さん以外は一旦袖に引っ込むような感じだった所をご本人が即効サックスを手に吹き始めた...。ミュージシャンの方たちはみんな慌てて自分の持ち場?へ。随時ギターが、ベースが、ピアノが、ドラム、そしてパーカッションがどんどん音に加わっていくんです。

いち、にのさんで一斉に始まらなくても曲そのものを十分に理解していればどんなところからでも始められるんでしょうが、でも、「まぁ、あんな中途半端なところからさささっっと入っちゃって。」な感じです。

また、このアンコールではサプライズ?も。 「香港の友人を紹介します。」と。誰が出てくるだろうと思ったら大学生くらいの若い男性です。 同じアルトぶら下げて恥ずかし気に出てきました。
...でHarambeeです。少し吹き始めたら貞夫さん吹くの辞めてこの男性に舞台を預けました。

でも、この男性も多少おどおどした感じが見受けられましたがなかなか。
ちらちら貞夫さんの方を見て「そろそろ戻ってきて下さいよ。」みたいな合図を送ってるんですが当の貞夫さんは「もっと吹け吹け。」と手で煽る。
客席はみんな渡辺貞夫さんの演奏を聞きに来ている訳です。その客を相手に吹く...というのは相当のプレッシャーだと思いますが客席だって手拍手で応援。

もう一つ。貞夫さんリードを何度も曲の途中で取り替えるんですよ。ご自身のパートじゃない時にそれこそ動きながら/踊りながら...。ズボンのポケットに手をやったと思ったらリードが出てきた。で、取り替えるんです。ささっと変えちゃいます。で、ご自身のパートに戻る。

私だけかもしれません。が、リード替えた直後の1音目って「ちゃんと出るかしら?」って思ってしまいます。ましてやコンサート。...「ヘロ~。」なんて音は出せないじゃないですか?でも、とにかくよく替えていました。1つの曲は数時間どころか数十分までにもなりません。でも、替えるのです。ものの数秒でさささっと。

貞夫さんのサックスは普通のサックスだと思います(どう言えばいいんでしょう...)。セルマーをお使いですよね?はい、私のはヤマハです。楽器そのもののグレードの違いはあるにしても...でも、普通のサックスだと思います。でもですね...あのサックスは生きてます!! 呼吸して、泣いて笑って(時には怒ったりぐずったりして?!)ると思います。

友人は「サックスと本人が一体化しててサックスが身体の一部になってる。」と言いました。サックスを通じて曲を歌い上げている...サックスと一体化...サックスが身体の一部...そうかもしれません。

結局の所似たような意味なのかなぁと思うのですが、渡辺貞夫さんがお父さんならサックスはその子供、赤ん坊...。一緒に楽しく遊んでるんですよ。
?ステージの上の渡辺貞夫さんと彼のサックスの姿?!楽しく遊ぶ「パパと坊や(と男の子にします)」の図でしたよ。
周りに居る者(私を含めた観客)はその姿をみて幸せになったと思います。

前にレポートしたコールマン、ケニーG...こちらのお二人も実に楽しそうに演奏していました。私もその姿を見て、その音楽を聴いて楽しみ、感動しました。お二人のサックスそのものが「生きてる!!」と感じることはなかったのですが、それぞれ十二分に楽しめました。色々な方々の演奏を生で聴くと自身の状態も影響するでしょうがそれぞれに発見や驚きや感動があって楽しいし、嬉しいし、面白いです。で、自身の練習も「頑張ろう!!」って想います。

予定1時間半のコンサートは少し長くなって2時間少々。そして、コンサートの後はサイン会。私と友人の時に迷惑承知で「お写真お願いしてもいいですか?」とお願いしました。サインをCDにしながら「沢山の方が居られるのでちょっと今は...。」と。でも、その時には既にカメラが構えられてて私と友人は貞夫さんを挟む形でカメラの方を向きました。お友達が「サンキュー」と伝えると一言「は~い。」。見せてもらった写真の中では顔を上げて下さっててにっこり。感謝感謝です。

Maikoさん、いつもながら臨場感溢れるコンサートレポート有難うございます!!

さて12月、もうクリスマスですね。
貞夫さんは前にもご紹介しましたが、日本のサックスプレイヤーでとってもクリスマスが似合うアーチストだと思うのは私だけでしょうか。それは、そうこの

底抜けの笑顔

ですよきっと。
2008年10月 6日

日本人プレイヤーは紹介しないんですか?

私たちの好きなプレイヤーは日本人なのに!!
って言われてしまいました。それでは!

honda_m.jpg NEW!:本田雅人「アクロス・ザ・グルーヴ」


このサイト、当初はいわゆるモダンジャズの巨匠といわれる方々を取り上げていこう、と思っていて、 現代において活躍中のプレイヤーや新人プレイヤーさんには失礼しておりました。

でも、本日冒頭のご指摘をいただいたため、現代活躍中の優れたプレイヤーの方もジャズにこだわらずご紹介していきたいと思います。

さて今月は本田雅人さんであります。
90日講座受講生の方にも、圧倒的人気を誇ります。

作曲のセンスも光り、楽器の扱いも猛烈に「巧い」人ですね。
太いフラジオ、艶っぽいビブラート、そしてカッコいい超絶フレーズを正確に吹きこなすリズム感。 そして端整で若々しいビジュアル。

むーーーー、非の打ち所がない、
というのは彼のようなミュージシャンを言うのでしょうか?

で、サックスだけでなくフルート、リコーダーは言うに及ばず、
トランペット、フリューゲルホーン、トロンボーンといった金管楽器まで操れるマルチぶり。

もともとシャープス&フラッツのリードアルト(学生時代!)だからブラス好きも手伝って、この新作でもブラスアレンジが随所に聞かれます。「春うらら」のフルート+フリューゲル+トランペットのアレンジはご自身の演奏。

「プレイリー・イン・ザ・モーニング」はさわやかなフルートによって奏でられますが、タイトルからサダオさんの 「モーニング・アイランド」想いだしてしまいます。

でも、1曲目の「キャプテン・ジョバンニ」がやっぱり本田さんらしいでしょうか、ハイウェイでうっかりスピードを出しそうになったクルマはこの曲を聴いているという噂?

さて、このレコーディングセッションでは珍しくラバーのマウスピースを吹くショットがありました。またヤナギサワの特注かな?

彼のように吹きたい人はご自身によるこのDVDはお宝ではないでしょうか。

honda_m2.jpg 本田雅人 徹底解析

本田雅人さんの手元が!口元が!こんなにクローズアップ!
曲は「TRUTH」「待ちぼうけの午後」「夏の蜃気楼」「勇者」「TRAFFIC JAM」 が収録されてます。

2008年9月 5日

去り行く夏に聴くサックス。

paquito01.jpg
お勧めCD:100 Years of Latin Love Songs/Paquito D'Rivera



は、この人ですねえ。

最近というか、もともとクラシックサックスのマスター(7才でデビュー!)でヨーヨー・マ との競演などでクラリネットの名手でもあるパキート。

真に楽器をマスターしたらこうなります。
の見本プレイですが、いや、もう彼の手にかかった楽器は、

おもちゃ。

でありますね。

キューバのイラケレというバンドメンバーだったころは日本では「知る人ぞ知るプレイヤー」でしたが、その後米国に亡命し頭角を現します。80年代後半にラテンフュージョンが流行ったとき、国内盤で「サマー・エクスプロージョン」というアルバムが出ました。

私はこのレコードを買って「サックスちゅうもんは、ホンマえらい音域の広い楽器でんなあ」などと感心だけしておりました。

そう、フラジオ自由自在はこの人が先駆者(?)ではないでしょうか。まあ曲によってキューキューとフラジオ音域が気になることもありますが(嫉妬?)コントロールできてしまうとそっちの音域が

こっちの音域!

になってしまうのですね。

このアルバムはキューキューが抑えられた美しいナンバーが並ぶ、去り行く夏を惜しむようなアルバムです。

モヒートとかパパヘミングウェイなど、ぜひキューバンなカクテルを召し上がりながらお聴きくださいませ。 残暑厳しき日本の9月アーチストはパキート・デリベラさんでした。

2008年7月18日

夏が来れば想い出す。

getz_augogo.jpg Getz Au Go Go

「水芭蕉の花」ではありませんよ。

今月のサックスアーチストは誰にしようって、
じつは、前から決めておりました。

スタン・ゲッツであります。

「安易な管理人だな、ボサノバだからだろ?」

それだけではありません。だったらジャズ・サンバやゲッツ・ジルベルトを紹介するでしょう。
このライブ版を持ってきたのには理由があります。

普通の女の子みたいに(実際そうだったらしいが)『春の如く』を歌うアストラッドの横で、 結構勝手に吹いているゲッツですが、この雰囲気が好きだ。

私は学生時代、丘サーファーみたいなカッコをして、クロスオーバーバンドをやっていた。

で、ボーカルに背の高いクラスメートの子を起用したのです。

片想いだったんですよ。この子に。

サークルのライブでこの『春の如く』を唄ってもらった。
ステージ栄えする彼女は当時デビュー3年目の阿川泰子さんより素敵に見えた。

この想い出を胸にしまって25年。

サーフィンの得意な湘南育ちの彼女は、見知らぬ海へと早すぎる帰らぬ旅に出たのでした。

同じ病と戦う人たちの助け合いサイトで、「なぜか死なない気がする」と気丈に語り、
最後までファンが多い様子だった、と後から知った。

今でも、『春の如く』の優しく綺麗な、しかしメジャーなのにどこか哀愁のあるメロディーを聴くと学生という『春』の時代を想い出します。

あれれ、感傷に浸っていたら、スタン・ゲッツが出てきませんね。

この微妙な存在感が「良い感じ」のアルバムなんですよ。
でも、『Here's That Rainy Day』ではホントに夏の濡れ縁に

涙のような雨

が降っている。

テナーでこんなしっとり感が出せるんですね。

で、ゲッツの影が薄いので今日はもう一枚、90年代の遺産を。
peopletime.jpg People Time

スタン・ゲッツはその死の3ヶ月前にケニー・バロン(p)とこの ライブデュオアルバムを残しています。
これサックスを吹く方(いやいや音楽を愛する方)なら必ず聴いて頂きたいアルバムです。

ろうそくがもう芯だけになり、ゆらゆらと消え行く炎が燃え尽きる前、最後の一瞬激しく光を放つ。

この魂の叫びがあまねく聴く人の心を掴んで離さない、まさに「白鳥の歌」です。

1曲目のEast of The Sunの最初のテーマメロディーが出た瞬間、
「これから僕の人生の話をします」と聴こえる。
「ウッ」と涙腺が熱くなるはずです。
ジャズとはこれ、音楽とはこれ、いや人間とはこれ。

聴けば、我々は残りの人生こそ「正しく生きなければならぬ」と必ず決意させられる

命のアルバムです。

2008年5月31日

梅雨に似合うサックスはあるか?

desmond56.jpg
Paul Desmond Quintet Plus the Paul Desmond Quartet


雨の休日出勤でネットラジオDemensions in Jazzをつけておりましたら、 優しいアルトが奏でるEverything Happens to Meが聴こえて参りました。

ちょうど次のご紹介アーチスト誰にしようかな?と思って窓の外の雨を見ておりましたら、 この音色はピッタリではないかと思いました次第で。

こうした優れたアルバムが国内発売されないから、ジャズ人口が増えないのだ!と憤るところでありますが、いや、気がついた人が口コミで同胞にお伝えすれば良いんですよね。
まあ、この趣味の良い選曲をどうぞリンク先でご確認ください。

このデスモンドは、デイブ・ブルーベックと
「つるんでいない」ので、
非常にしっとりした魅力がストレートに堪能できます。

ブルーベックのことを悪く言ってしまいましたが、これは、「デスモンド=テイク・ファイブ」というアリナミンVドリンクのCF刷り込みが巷にあるせいだ。


この曲でジャズに入った、あるいはサックスを始めた、なんて人までいるほど日本人に好まれる曲です。

でも、この変拍子の曲は確かに魅力あるんだけれども、毎日聴きたいか?頻繁に演奏したいか? となると実はそうでもない、と言うかイヤである(私は。)。

ライブでも、「テイクファイブ演ってよ」とリクエストしてくる人ほどあまりジャズファンでなかったりする。

テーマだけ聴いて、ドラムソロになると

「あゝジャズ聴いた聴いた、お勘定!」

と帰るオヤジにこのタイプが多い。

で、今日は何が言いたいかと申しますと、テイクファイブしかデスモンドを聴いたことのない人にもっと聴いて頂きたいアルバムがあると言うことです。

ブルーベックのエグいピアノに引き立てられなくても、彼の魅力は分かるのです。ピアノレスでこそ引き立つ、デスモンドのクリアーで優しい音色がドンエリオットのメロフォンと絶妙に絡む名曲の数々。こういうアルバムが鬱陶しい梅雨を清々しく過ごさせてくれると思います。



余談ですが、このアルバムでベースを弾いている人、Norman Batesといいます。 私はこの名前でこの映画を思い出してしまいました!さ、さぶっ!!


梅雨に似合うサックスはあるか?

desmond56.jpg
Paul Desmond Quintet Plus the Paul Desmond Quartet


雨の休日出勤でネットラジオDemensions in Jazzをつけておりましたら、 優しいアルトが奏でるEverything Happens to Meが聴こえて参りました。

ちょうど次のご紹介アーチスト誰にしようかな?と思って窓の外の雨を見ておりましたら、 この音色はピッタリではないかと思いました次第で。

こうした優れたアルバムが国内発売されないから、ジャズ人口が増えないのだ!と憤るところでありますが、いや、気がついた人が口コミで同胞にお伝えすれば良いんですよね。
まあ、この趣味の良い選曲をどうぞリンク先でご確認ください。

このデスモンドは、デイブ・ブルーベックと
「つるんでいない」ので、
非常にしっとりした魅力がストレートに堪能できます。

ブルーベックのことを悪く言ってしまいましたが、これは、「デスモンド=テイク・ファイブ」というアリナミンVドリンクのCF刷り込みが巷にあるせいだ。


この曲でジャズに入った、あるいはサックスを始めた、なんて人までいるほど日本人に好まれる曲です。

でも、この変拍子の曲は確かに魅力あるんだけれども、毎日聴きたいか?頻繁に演奏したいか? となると実はそうでもない、と言うかイヤである(私は。)。

ライブでも、「テイクファイブ演ってよ」とリクエストしてくる人ほどあまりジャズファンでなかったりする。

テーマだけ聴いて、ドラムソロになると

「あゝジャズ聴いた聴いた、お勘定!」

と帰るオヤジにこのタイプが多い。

で、今日は何が言いたいかと申しますと、テイクファイブしかデスモンドを聴いたことのない人にもっと聴いて頂きたいアルバムがあると言うことです。

ブルーベックのエグいピアノに引き立てられなくても、彼の魅力は分かるのです。ピアノレスでこそ引き立つ、デスモンドのクリアーで優しい音色がドンエリオットのメロフォンと絶妙に絡む名曲の数々。こういうアルバムが鬱陶しい梅雨を清々しく過ごさせてくれると思います。



余談ですが、このアルバムでベースを弾いている人、Norman Batesといいます。 私はこの名前でこの映画を思い出してしまいました!さ、さぶっ!!


2008年5月20日

高音色士風的貴公子って誰だ!?



本日は香港特派員!のMAIKOさんによる、 ケニーGコンサートレポートです。

昨日はお釈迦さまの誕生日...で香港は祝日でした。
この週末はケニーGのコンサートの余韻に浸ってました。
家でもヘビーローテでずっとCDかけてましたよ。

HK$890は高い!!と思っていたけれど、でも、コンサートの後はそんな気持ちふっとんじゃいました。時間にして3時間余り。曲数にして20曲を超えています。最新CDからは3曲だけでしたが香港や中国で有名な曲、そして香港と言えばジャッキー・チェン(と今も言えるのか...)が韓国の女優さんだったかとデュエットした曲までしっかり織り込んで来ていました。(ジャッキー・チェンとは香港の前に北京であったコンサートで会ったとか。本人は上海経由で5/8に香港入り、その夜にはやはり既に香港へ戻って来ていたジャッキー・チェンと一緒に夕食を共にしたそうです。)

サプライズでミュージシャンの紹介をしている際に突然そのジャッキー・チェンがステージに花を持って登場。「夕べそんなこと一言も言ってなかった!!」とはケニーGの弁です。(言ったらサプライズにならない!!)

会場は香港の空港近くにできたアジア・エクスポ・アリーナというところ。最近は外国人のアーティストは好んでここでコンサートをするようになりました。もうすぐエルトン・ジョンのコンサートがあります。(プラシド・ドミンゴとか、何とかアギエラなどもここでやりました。)

会場のキャパはMaxで1万3,500人。この数字分のチケットを販売する予定だったのかどうかは知りませんが会場の設営状態からすると最後方の部分は空席がありましたが買い手が居れば主催者側は販売する準備はしていたと思われます。

ステージに対しての地上席で3,000人です。横50人で私は前から30列目です。 これからこの会場でコンサートを観る際はもたもたせずにさっさと前の席を確保する方がいいなと思いました。ステージには大きなスクリーンがあったので良いとは言え演奏中のケニーGを至近距離で、とは残念ながらかないませんでした。

が、ですね...。
実は地上席の前方でこんな状態ですから地上席の後方、この地上席をU字型に囲む形でのバルコニー席の人たちははっきり言ってステージのケニーGなんて肉眼で拝もうにも無理な状態です。結果、ケニーG本人が動き回りました(笑)。

ほぼ定刻(8時開演で8時15分位でした。→プレ・パフォーマンス・サイン会で会場で新しいCDを買った人で希望者は並んでCDにサインをもらえました。それが影響したとは言え15分だけのずれは奇跡です。/香港の歌手のコンサートなどは開演予定時間の40分遅れ位でだいたい始まりますから。)にスタート。ステージ上のバックミュージシャンがイントロを演奏し始めます。でも、本人はいつまでたっても出てこない。で、アルトサックスの音がぶわ~んと鳴り出した。と、スクリーンに客席が映し出されたのです。

なんとご本人後方バルコニー席に居るじゃないですか!!「え~!!」って感じです。
コンサートでソプラノ以外も演るのは聞いたことはありますがいきなりです。
サイン会の時(私もCDまた買って並びました。→だってツアーライブ録音の特別CDも付いていたので...。)に着ていたブルーのコットンシャツを着替えて真っ白なシャツに黒のジーンズ。くりくり髪が音楽にあわせてなびいています(って感じです。)。アルト持ってるケニーGの図がしっくりこない私ですが、ご本人は実に楽しそうに踊りながら(形容するなら本当に踊ってます)楽しそうに吹いてます。

バルコニー席の一部を開けて階段を設置。セキュリティのスタッフが本人の足元に注意を払いながらケニーGは演奏を続けてどんどんステージに向かってきます。観客は携帯電話やデジカメでばんばん写真取ったりビデオ取ったり...(こういうのがYoutubeに流れ出るんでしょうね。)。残念ながら曲名はわかりませんがダンサブルな元気一杯の曲でした。ステージまで距離がまだ有る中で1曲目を終えたご本人は楽器をソプラノに持ち替えました。次の曲です。アルトの時とはちがって、ひんやりと、でも気持ちのいい透き通った風が流れ始めたって感じのすばらしい音が響きます。

私の席のすぐ前方にお立ち台のようなものをスタッフが作り出したのに気がつきました。「絶対ここに彼は立つ!!」と思った私は本人がまだ到着もしていないのに場所取り決行。案の定、このお立ち台に...。そして、その時に彼の曲はロングノートを披露する部分に来ていたのです。お立ち台の上でクルクルと台の上を周りながら延々とノートが続きます。先生も観に来ていたらしく「あれってどれ位だった思う?」とコンサートの後で聞いたのですが「3分は余裕であったよ。やりすぎ。(笑)」と。

一定のリズムでぷくっとほっぺが少し膨らむんです。で、そのほっぺがしゅ~っとしぼむ。表情は全然苦しそうじゃないです。本当に延々と続くんですよ。1mない至近距離でみた私、だんだん不謹慎ですが、おかしくなってきました。「え~、どうなってんのぉ!!!」って感じです。オーバーシャツ状態だったのでお腹の動きは見えませんでした(もっともこの場合はお腹に息はためませんよね。)が、これがあの「ギネス記録のケニーGの循環呼吸奏法だ。」って感じです。デジカメのフラッシュがまぶしかっただろうなぁと思う点はすごく残念です。(私は機会音痴なので携帯にカメラ機能はなし。コンサートでデジカメはご法度だと思うのでもって来る気もなし。でも、香港の人はスキあらばでしょうか?準備万端です。決していいことだとは思いませんけれど。)

この2曲目をその後ステージに戻ると同時に終えて、またアルトでの演奏です。 またステージで動く動く...。「こんなに元気のいいステージをこの人はするんだ。」と思いました。大きなステージを行ったり来たり。サックス持ってまた踊ってました。表情はやわらか。まるで長い間待ち望んでいたおもちゃをもらって遊び始めた子供のようです。
そして、よく喋る...。挨拶は広東語で。(かなり練習したと思われます。)
曲の合間で、その曲を作った時の思い出なども披露してくれました。

やっぱりソプラノだと「ケニーGだ。」って感じです。新しいCDからの曲3曲もそうですが、ツアーCDの中に収められてる曲のいくつかは「ちょっと違うことに挑戦してるなぁ。(→イメージが違う。)」と思わせるものもありどの曲も楽しめました。

「北京でジャッキーに聞かれた。どうしてひとつのノートをあんな風に長く吹き続けられるのか?」って。「理由は簡単、口で吹きながら鼻から息を吸ってるからです。(...と簡単に言うな!!)」...「吹くと当然息はなくなるから鼻から吸って補充しないとね。補充すれば吹き続けられるよ。」...「ここで吹きながら鼻で息を吸ってるのをお見せします。」

サックスに付いているマイクを外しました。

会場はし~んとしてます。マイクを顔に近づけたと思ったら、彼吹き始めました。マイクなくてもよく音が響きます。私の席でも十分に聞き取れます。...と思ったら「しゅぅっ。」と音が...。鼻で息をする音をマイクが拾ってるんです。 音は当然出続けていますが...。あんなにするどく息を吸い込むもんだともは思いませんでした。それこそ鼻水をすすり上げるような勢いです。〔ぷぅ~~~(しゅぅっ)~~~(しゅぅっ)~~~(しゅぅっ)~~~〕って感じです。

で、にっこり「ねっ?」って。

「ねっ?」じゃないですよ!!

「ジャッキーがこの方法を会得したらずっと台詞喋り続けられる。」って。
「言わなくてもわかってるだろうけれど、ぼくは人間ですよ~。特別なことをしている訳では決してないです。はい。」(この人はこんな明るいオジサンでしょうか?)

テンポの良いお喋りも沢山ですが肝心の演奏もどんどん。次から次へと曲が続きます。

しっとりした曲、コミカルな曲、緩急織り交ぜての演奏は時間が過ぎて行くのを忘れさせてくれます。...と彼またステージから居なくなった。その間にベースの人のソロ演奏の部分がありました。(バックミュージシャンの方たちも実に楽しそう。)そして、それが終わると間髪いれずに次の曲のイントロが...で、今度はテナーの音が会場に響きます。でも、スクリーンは映さない...。みんなが「どこだどこだ」ときょろきょろし始めます。今度は地上席の最後方から登場です。今度は会場をジグザグに動き出した。でも、最後はまた席の近くに歩いてきます。

ラッキーでした。片手が空くノートの際に何とご本人が手を差し出した。

握手してもらいましたよ!

(<気>のパワーが移って私のサックスも多少ましにはならないかしら...と、そんな訳はありませんが。)おまけにウィンク付き。
横の席の女性が「いいなぁ。」って。(えっ?私にウィンクしてくれた訳ではないと思うけれど...。まぁいいか。)

ステージに戻るとすぐにソプラノに持ち替えて...「この素晴らしき世界」です。アームストロングのビデオがスクリーンに映し出されて、いわば共演ですね。この後も数曲。続いて「タイタニック」のテーマ曲のイントロが流れます。...もう、サックス演奏のてんこ盛り。

ここでミュージシャンもみんなステージ中央へ。終わりです。

一旦みんなが居なくなりましたが当然「アンコール」。
ほどなくケニーG再登場。この時既に時刻は11時前。
スクリーンに曲名が「カデンツァ」というものであることを会場の観客に告げたと思ったら演奏が始まります。ソプラノの美しい旋律がどんどん繰り広げられます...。
うっとりしてたのですが、はっと思いました「この人また息継ぎしてない!!」。
「またこの人は鼻で息吸ってるの?」「でも、こんなに早いテンポでしかも複雑な旋律...鼻から吸うにしても...。」...と思ったらスクリーンにドアップが。やっぱり息継ぎ自体はしていないと思います。手のアップも映ったりするもんだから何ともいえませんが。

4分位の曲だと思います(特に短くもなく長くもなく...だったので。)、終わった瞬間に「ふぅ~。」という仕草。(やっぱり息継ぎはなしか?!) 会場は拍手の嵐です。

この頃には再びバックのミュージシャンが再登場。さらにもう1曲。曲名はわかりませんがしっとりと歌い(?)上げる様子は「高音色士風的貴公子(ソプラノサックスの貴公子)」ケニーGです。

※中国語(北京語)でサックスは薩克管(さぁくぅぐぅぅん)と言います。が、広東語は一方言であることから、もともとの音を漢字表記にすることが多々あり(もちろん新聞等は標準中国語です。)、サックスは色士風(せっくしぃふぉん)と言います。

この曲が終了で再度全てのミュージシャンがステージ中央へ「ありがとう。また来ます。」の言葉とさわやかな笑顔を残してステージを後にしました。

私はこのあと「ポスト・パフォーマンス・サイン会」へ。友人がコンサートにこれなかったのでCDにサインをもらおうと再度列に並びました。(何枚買ってもサインはそのうちの1枚にのみサイン...ということだったので2枚にサインをもらうためには2度ならばないといけない!!)

すごい人数が並んでいましたが、にこにことそしてもくもくとサインをしていくケニーG。そしてひとりひとりに「Thank you」と。すごい人数って本当に半端じゃないんです。主催者もよくこんなに沢山のCDを会場に持ち込んできてたなぁって感じです。(ここで1万3,500枚売り上げる気だったか?!) サインだけでも大変な作業。そしてずっと続く彼の「Thank you」の声。すてきな人ですね。

ここで全て終了~で時刻は00時20分。自宅に戻ったのは1時過ぎでした。
即効シャワー浴びてベッドにごろ~ん。MP3に既におとしてあったCDの曲を耳にして「コンサート再び」...でしたがいつのまにか眠りこけてました。

コールマンもよかったけれど、ケニーGもよかったです。

添付は会場でのパンフレットです。表紙と中の記事。(いつも通りスポンサーの広告ばかりでケニーGの頁は見開き2頁のみ。おまけに中文のみ。これはいかんよなぁ...と思いました。)ポンコツスキャナーで写りも今ひとつですがご参考まで?!



MAIKOさんありがとうございました!!

正に興奮覚めやらぬ、という感じですが、香港のコンサートの方が日本よりサービス良さ気ではありませんかね?

では、今月のサックスアーチストは高音色士風的貴公子で。

2008年4月 9日

ジーン・アモンズをご存知ですか?

jug.jpg お勧めCD:ジーン・アモンズ「ジャグ」
日本ではイマイチ評価が低いというか、知名度が低いと言うか、なんでこんなイイ音楽をみんな聴かないのかな?と前から疑問に思っているんですよ。

ワタクシ、実はテナー奏者の中ではポイントをかなり高く置いています。楽器の巧さとか、そんなことではなくて、テナーサックスの音楽として上質なのですよ、安心して聴ける。

たとえば、夕方濡れ縁でとなりの熊さんと将棋をさしているとボス(アモンズのあだ名です。このアルバムのタイトル通りJUGというあだ名もあった)が舶来の葉巻をくわえ、テナーのケースを抱えてのっしのっしとやってきた。

「あー、ボスのお出ましだ」
「ほんじゃ聴かして頂きましょう」
てな感じで、井戸端でおかみさんの洗ってた白菜を横に押しやって即席の「高座」を設えます。

「おう、そんじゃ、ごめんなすってよ」と井戸端の柱に腰を寄りかけて「ブウォ~ン」とキズだらけのテナーから太く逞しい音を奏でるボス。

すると長屋の連中が音を聴き付け「お、ボスが来てんだね!」とワラワラ集まってきて、月が昇るとボスを中心に輪になってみんなでブルースを踊り出す。
そんな感じです。(様子、わかります?)


なんといいますか、独特な親しみがあるのですよ、それこそ頼れる親分だから。

アルバムの選曲も気を衒った所がないし、「アモンズに駄作なし」と昔のファンも言います。
変わり映えのしない音楽、と言ってしまえばそれまでですが、私は大好きなテナー奏者です。

彼の誕生日は1925年4月14日。ということで今月のアーチストはボスに敬意を表しフィーチャーいたしました。

一躍有名になったソニー・スティットとのバトルアルバムBoss Tenors: Straight Ahead from Chicago 1961もぜひ聴いてみてください。
「枯葉」がちっとも枯れてない
ご機嫌な演奏にあなたもノリノリのはず。

そして、彼の遺作となったのは74年のその名もGoodbyeです。
ボスが大きな背中にテナーを背負って、「じゃあな、あばよ」と天国への階段を昇って行く涙なくしては聴けないアルバムです。

生涯その無骨なまでのテナースタイルを変えなかったボス。今夜あたり、じっくり有り難く味わおうではありませんか。
2008年3月12日

オーネット・コールマン・コンサート

ornet02.jpg

今日は香港在住のremote student であるS.MAIKO さんからのメールをご本人の許可を得て、掲載いたします。 オーネット・コールマンのコンサートの感想を送ってくださいました。【MAIKO さんは特別講座2期生です】

ここから

先生お久しぶりです。今日は質問ではありませんがメールをさせて頂きます。

2/29(金)にコールマンのコンサートに行ってきました。
まずはひと言...とすると「めちゃめちゃかっこいいおじいちゃん!!」です。

ステージに出てくる時はゆっくりゆっくりと歩いてきたし、年齢も年齢ですからやっぱり「年配のおじいさん」的感じは否めませんでした。が、歩いて舞台の中央にたどり着いても準備されている椅子(バーにあるような椅子、スツールって言うんでしょうか?)に腰かけるでもなく、結果的に1時間半余りの時間、ず~っと立ちっぱなしでした。サックスって軽いものではないですよね...。

ドラムは息子さんでした。加えてベースが3人。コールマン用にちゃんと楽譜台があって楽譜もおかれていました。でも、きっと彼見てません。演奏の時、楽譜の方に目をやることなんてなかったと思います。一応曲が終わるたびにベースの人が楽譜を替えていましたが...。

各曲も「いち、に、さん...」で始まるようなものではないんです。でも、舞台のメンバーはみ~んな、いつ、どうやって始まるかがちゃんと理解できてる。コールマンがサックスを口にして...でもしばらくはシーンとしている。観客がぐ~っとどうなるんだろう...って待ち構えてる。...と思ったらいきなりみんな一斉に演奏が始まる...。「コールマン本人がサックスを口にしてから何秒後って申し合わせでもしているの?」と言いたくなる位みんなば~んと演奏が始まる...。

信じられません。みんなが自分の呼吸でリズムとって気持ちの準備がピークに達したところで各パートの演奏が始まる...一斉に寸分の乱れなく...という感じです。鳥肌ものでした。

マイナー、メジャー関係ないというか<調>がないメロディー?(どういっていいのかよくわからないのですが。)がどんどん目の前で展開されていきました。コールマンほか舞台の上の人み~んなが実に楽しそうに演奏しているんです。演奏を聴くというよりあんまりみんながそれぞれ楽しそうなんでそれを観ているこちらもなんか嬉しくなってくるというか。

即興的に普段と変わってる部分も沢山あったのではと思わせる場面?ありました。コールマンの立ち位置近くにトランペットとバイオリンが用意されていました。サックス演奏中にふとサックスをやめてトランペットを手にしました。

ちらりと横目で自分の周りのプレイヤーに目をやり構えるんです。こちら観てる方は「何?何?」って感じです。で、トランペット...結局サイドテーブルに置いてしまったりするんです。「えぇ??トランペットはやめ?!」みたいな感じです。超フェイントです。バイオリンでも同様のことがありました。でも、周りの人たちはいたって普通。自分達のパートを続けているんです。 コールマン本人が忘れてしまって吹かなかった、弾かなかったってことはないでしょうから...。

曲はアップテンポなものばかりだったです。コールマンの指がサックスの上で踊っていましたよ。

演奏の技術がどうとか難しいことはわかりません。でも、とにかく彼や周りのメンバーが楽しそうに演奏しているのを観て「私もあんな風に楽しくかっこよく吹けるようになりたい!!」と思いました。(偉そうに...。)

コンサートのラストはスタンディング・オベーション。何度も何度も頭を下げるコールマン...こちらが「楽しい時間をありがとうございました!!」って感じでした。

練習練習また練習ですね!サックスのレッスンをするようになってはじめてすご~い方の生演奏を10Mくらいの至近距離でみた今、「頑張るぞ。」っていう感じです。残念ながら先生との時間の折り合いがつかず、独習状態が1ケ月余り続いていますが。

ただ、ブラバン経験者の友人とイースターの休暇時(03/21~/24)に毎日小さなスタジオで おこもりして吹く約束になっているので...。それを今は楽しみにしています。

何ともお粗末なメールですがコールマンコンサートの報告?!です。

別添は会場でのパンフレットです。(小冊子になっているのですが、宣伝ばかりでコールマン自身のことは中文、英文の7ページのみ。中文の頭にかっこいい写真が載っていたのでその部分を送信します。)

香港はやっと暖かくなりました。今週はコートなしです。今日は日中23度。湿度がそんなに高くない(67%)のでいい感じです。


ここまで

Maikoさん、ステキなコンサートレポートどうも有り難うございました。
コールマンの音楽は、聴く人によるとちょっと「キビシイ」感じも受けるかもしれないですが、こんなに素直に楽しめて素晴らしいことだと思いました。

それではMaikoさんへの応援の意味も込めて今月のサックスプレイヤーはオーネット・コールマンで参りましょう!

はじめてでも聴き易いのはこのアルバムでしょうか?
彼のデビューアルバムです。「ジェイン」なんてテーマも親しみやすく軽快なナンバーです。
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お勧めCD:オーネット・コールマン「サムシング・エルス!」

食わず嫌いを止めて、コールマンが走り始めたスタート地点に立ってみましょう。

そして!必ず聴いていただきたいのが『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』。
その秀逸なジャケットデザインだけでなく、フリー・ジャズというカテゴリに入れることすら憚られる20世紀のあまりにも偉大な遺産であります。

他のアルバムも左のウィジッドからレビューを参照ください!

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2008年2月13日

ジョン・コルトレーン<2>

米国大統領選挙が面白くなってきました。

別に私は特定の候補者に強い思い入れがあるわけではありませんが、
やはりジャズ系のサイトを運営しているからには、小浜市じゃなかったオバマ氏を応援してみたい気になっています。(ブラック・イズ・ビューティフル?短絡的だなあ)

で今月のサックスプレイヤーはコルトレーンを。
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お勧めCD:ジョン・コルトレーン「コルトレーン」



この、深く遠く語る視線が

オバマ氏に被りませんかね?

この初リーダー作を発表したコルトレーンは31歳。
「来るなら来い!」の時代だと思います。

もちろん彼のアルバムはお勧めしたいのがたくさんあります。
今月のウィジッド(左で上下に流れるアルバム)は私の好きなアルバム群ですが。
サイトをいろんなページをお読みいただいて、書いていることに共感を持っていただけるのなら、 おそらく皆様のお好みに「ハズレ」ません。 (しっかし今、CD安いですねえ!悔しい!!)



さて、このジャケットの彼の顔、凄く好きなのですが、このレコーディングの直前 ヘロインとアルコールを完全に断ち切って、神の恩寵により「霊的覚醒」を体験したという話があります。

もっともこれは、酒を飲みすぎて(ヘロイン中毒の禁断症状を絶つため)カフェ・ボヘミアの楽屋でマイルスに
ぶん殴られて目が醒めた
と言う話からできたのかもしれません。

いずれにしても、音楽への強い信念と漲る自信を得た一人の男が、この後音楽界のひとつの激しい流れを作り始めるきっかけになった「初リーダー作」はテナー奏者のあなたならぜひともお聴きになられてよろしいのじゃないでしょうか?

特にバラッドの名演「コートにすみれを」なんて、タイトルもグッと来ますが50年前の演奏なんて思えません。痺れっ放しですよ、あなた。
2008年1月16日

ルー・ドナルドソン<1>

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お勧めCD:ルー・ドナルドソン「ウェイリング・ウィズ・ルー」

「ルー・ドナルドソンというアルトの名手のCDを何か紹介してください。」といわれると、同じブルー・ノートレーベルの「ブルース・ウォーク」や後期の「アリゲーター・ブーガルー」を挙げる往年のジャズファンが多い。

もちろんそれらは名盤には違いないが、管理人はこのアルバムになじみが深いのです。

WAILINGってどんな意味かな?

「ルーとともにむせび泣いて?」
という訳は正しいか?

ジャズでは
「イカしたプレイしやがる奴らだゼ」
って感じではないでしょうか?

管理人はこのレコードばかり長く聴いていた時代があります。

演奏がすこぶるいいとかどうとかじゃないんです。

理由はキャラバンとオールド・フォークスとノーグレイターラブが入っているから。

そう、学園祭で自分のバンドの演目だったからですね。

当時の管理人はトランペットのダチ公と2管フロントでハード・バップをやっていて、このルー・ドナルドソン(as)&ドナルド・バード(tp)のサウンドをひとつのお手本にしていました。

つい先日、当時を思い出しながら聴いてみました。
やあ、イカした、と言うか本当に絶妙の演奏であります。

別に興奮の坩堝(るつぼ)なる快演!などにはほど遠いのですが、 肩の力が抜けた、余裕綽々の演奏で

「オメーら、ジャズやるんなら、一応この辺必修だぜ」 と先輩に横面を軽くビンタされてる気分であります。

アルトの人はこのオールド・フォークスという名曲についてはこういう演奏をひとつのお手本として、まさに 必修というか是非レパートリーに入れて頂きたいと思う次第であります。

以上、年頭所感。

で、サイドバーに「今月のサックス奏者:おすすめCD」を流すことにしました。

← CHECK!してみよう!


2007年11月29日

クリスマス的ソプラノ。

faith.jpg お勧めCD:ケニーG/Faith: A Holiday Album
クリスマスがやってきます。

で、私は幼稚園とか老人ホームなどで クリスマスソングを演奏する機会があります。

一番好きなのは、メル・トーメの「ザ・クリスマスソング」なんだけど、
子供達の前では、「サンタが街にやってくる」 「そりすべり」「赤鼻のトナカイ」なんかが喜ばれ、
おじいちゃんおばあちゃんの前では、「きよしこの夜」や「ヒイラギ飾ろう」が 喜ばれる。

と、思いきや、

そうではない。

むしろ、手拍子がいっしょに出来るようなミデゥアム・バウンスのナンバーがウケたりします。
お年寄りを前にしたからって、しっとりな曲ばかりじゃ却って失礼なのです。

で、今日はクリスマスに何を吹こうかという方にお勧め。
「なあんだ、それか」
という声も聞こえるし、

「へえ、ケニーGなんか聞くの?」 という声も聞こえますね。

まあ、彼のアルバムはこれしか持っていないんですが、
クリスマスが来ると1回はかけるCDです。

どうしてでしょう?

彼のソプラノはクリスマスを運んでくるから。

もちろんテナーも巧いんだけど、彼のソプラノは実にクリスマスのためにあるような音色だと思うのです。

で、皆さんも演奏する前にこういう「クリスマスらしい音」をお聴きになってイメージを膨らませて吹くといいと思う次第です。

ちょっと吹ける人は、Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!

これではリズムがちょっと難しい、と思った人は、O Christmas Tree
に挑戦してみてはいかがでしょう。

勿論アルトやテナーで吹いたっていいんですよ。

譜面はこちら→ Kenny G-Faith: A Holiday Album (Artist Transcriptions)

あ、音色で勝負したい人は、もうちょっと定員枠ありますのでお早めに。
第2期会員募集まもなく締め切り

2007年10月 4日

秋の夜長にしっとりな「低音」を。

nightlights.jpg お勧めCD:ナイト・ライツ/ジェリー・マリガン
クレームをいただきました。

「おまえ、アルト吹きかなんだか知らんが、
テナーはおろかバリトンの紹介がまったく無いじゃないか!」

仰るとおりでした。

申し訳ございません。

バリトン・プレイヤーの方もお眼に留めていただいていることは、
認識不足で誠にもってお詫びの言葉もございません。

さて、
急に終らすな(怒)

バリトンといえばまずこの人であります。

私、この方は『生』を拝聴しております。

1982年の夏、忘れもしない

『バドワイザー・ニューポートジャズフェスティバル・イン斑尾」

あれが、「夏といえばジャズフェス」のスタート地点だったかもしれません。

勿論そのあと86年からはじまる「マウントフジ」は毎年欠かさず足を運びましたが、 この「マダラオ」は強烈に脳裏に焼きついております。

夏の高原に土砂降りの雨が降る中、スパイロジャイラの 「モーニングダンス」で総立ちで踊り狂った学生時代の一コマ。

いけね。今日はマリガンでしたね。

その夜、ジャムセッションで目の前で動くジェリーマリガン。

そりゃ、動くわい(怒)

その頃は私はフュージョン小僧だったので、 はっきり言って震えるほどの感動は無かったのですが、 でかいバリトンがテナーぐらいにしか見えなかった感じがします。

背が高くやけに足が長くって、私なんぞは彼の股の下をアルトを担いで行ったり来たり出来そうでした(やってみろ)。

で、こちらのアルバムであります。マリガンをこのサイトでご紹介するなら、まずチェット・ベイカーとのユニットをもって来るべきか迷いましたが、最近急に朝晩涼しくなって、秋の夜長に聴く向きにはこちらがお勧めかと存じまして、はい。

バリトン奏者の方にはまたまた申し訳ないのですが、
マリガン氏、タイトルチューンではピアノに専念。

でも、これが美しい。

他の曲もゴリゴリのジャズではなく、ボッサやショパン(あのピアノの詩人ですよ!)なども取り上げて、いわゆる「聴きやすい」アルバムですから、ジャズの入り口に立とうとする若い方も十分楽しめると思います。

3管のフロントはトランペット、バリトンサックス、バルブトロンボーンと重量級を想像しますが、サウンドは極めてソフト。こういうのを大人のジャズといいます。でも中学生も十分親しんでよろしい!

近年、でかい音と早吹きの音数で張り合うフロント諸兄に、是非こういう「節度ある」演奏でご自分を見直していただきたいと思うわけであります。

ねえ、バリトンの先輩、いかがでしょうか?

(ト書き : ニヤッとして静かに頷く)

2007年9月10日

「采配を振る」キャノンボール大将。

takescharge.jpg お勧めCD:キャノンボール・アダレイ/テイクス・チャージ

「俺はホーン吹いてるだけだ、野郎ども、しかっリアワセロヨ!」
と親分が言いました。

永らくレーベルの権利の問題だとかで、廃盤だったアルバムです。

で、美味しい別テイク2曲付き。なのにこの値段。

安く手に入るのは嬉しいですが、なんか悔しい気もする。

こんなうっとりするようなアルトの音は、そんな値段じゃ聴けねーです、フツウ!

結論から申し上げます。当サイトにお越しのサックス勉強中の方はアルトの人だけでなく、テナーの人も買いです。

音色、フレーズが見本?いやそれだけでなく、あんまり有名でない曲でも愛らしいメロディの歌い方、 長々ブロウしがちのブルースを、適度なサイズに、しかし肝は押さえてまとめる潔さ。


これ、ピアノがウィントン・ケリーだからだろうな。
後にファンキー路線をひた走るようになる相棒、ボビー・ティモンズだったらもっとゴリ押しの演奏になったと思います。

だからとても普段着、でも「丁寧」なキャノンボールにひょっとしたら物足りなさを感じる人がいるかもしれない。

でも、私は数少ない1ホーンのキャノンボールはこのアルバムがとても好きなのです。

本日のタイトルは若い人にはわかりにくいかもしれませんですね。

Takes Chargeをそのまま訳すとこうなるようですよ。(よい意味で)「指図する」って感じ?


では「買われたし!」とTakes Charge。


2007年7月26日

夏祭りアルトマンがハードボイルドになる日

sonnycriss.jpg お勧めCD:サタデイ・モーニング/ソニー・クリス
待ってました!

という方がどのくらいいらっしゃるか分かりません。

初心者の方にとっておきのご紹介!

というのも

気が引ける1枚

であります。

でも実は私、この人好きなんですよ。レコードでほとんどの作品をカバーしてると思います。

はっきり言って【B級】に入れられてしまう人なんです。
理由は特に初期作品の「ああ、あのひけらかしアルトね」なんて揶揄されるほど 独特のうすっぺらい金属音とハデハデのフレーズで押しまくるスタイルに好き嫌いが分かれます。

でもそこが彼の人間くささが正直に出ていて、
彼のソロって「俺ってさ、ソニー・クリスクリスクリスクリス、ソニー村からやってきた、クリスクリスクリスクリスクリスっていうの、知ってた?」

みたいに聞こえる。

コブシ回し過ぎ。まるで夏祭りで盆踊りのやぐらの上で、カラオケマイクを離さなくなった町会長のハゲオヤジの如くであります。

「うるせーんだよ、e-Saxで吹け!」なんて言い返されそうでもある。

でも、アルト吹きで知らない方がいらっしゃったら、是非聴いてみて下さい。

もっと聴きたいとなった方は、やっぱりアルト中毒です。

何枚か聴くうちに「アルトはこうでなくちゃいけない!」となる方も必ずいらっしゃるでしょう。

この晩年の作品は「へえクリスでもこんなシブイのあったのね」 という比較的落ち着いたハードボイルドに徹した演奏。

いやバリー・ハリスのベースがね。
「俺たちのジャズだからね、渋くやろうじゃないの」って雰囲気なイントロを弾くもんだから、 クリスも抑えたんじゃないか?

CDは彼の生涯と逆に追って行かれるのがいいです。 パーカーと渡り合う1952年録音「イングルウッド・ジャム」なんてのは最後。
2007年6月15日

こんな『父』になりたくてサックスを始めた私っていったい。

getz.jpgお勧めCD:スタン・ゲッツ・プレイズ
父の日であります。

ご推薦アルバムであります。

ジャケットはサックスを始めたオトーさんが必ずまねして(モノクロで)写真撮ります。
でも息子・娘はこんなポーズはなかなかしてくれませんが。

収録曲もオトーさんがテナーで演奏したい曲のオンパレード。

星影のステラ、ティズ・オータム、今宵の君は、恋人よ我に帰れ、身も心も。ゲッツ節も全開で、何度でも聴きなおしたいアルバムでしょう。

ほぼ半世紀前の録音なのに音もすこぶる良いのがうれしい。

恋人と二人で聴くのも、プレゼントするのもグーなCD。

でも演奏でプレゼントできたら、もっと素敵ですよね。

パパがんばれ!!

2007年3月 5日

虹の向こうはフレーズが一杯

お勧めCD:ソニー・ロリンズ・プラス・フォー
「へえ、珍しいのを薦めますね」
という声が聞こえてきます。ここはサックス初心者の人が多く来てくださるサイトですが、どこでも紹介される「ド・定番」以外のものもご紹介する必要があります。

というのも、これはプレイヤーズミュージックと呼ばれることがあるからですね。

そういう意味では、メインカテゴリー違いかもしれません。
《サックスが上手くなる》カテゴリかな?

テナーを練習している方は要チェック情報ですよ。

俗に、このアルバムはロリンズが不調のときに録音されたといわれます。
特に「演奏しない派」のロリンズファンはそう言います。

もっともロリンズ以外がブラウン+ローチクインテットの面々で、
正式メンバーのテナー、ハロルド・ランドが腹を壊して唸っていたので
「じゃあ、そこのおまえ来い」といわれて
「ガッテンだー」
とスタジオに入ったのがロリンズだった、
という逸話からジャズは名盤が生まれたりします。(ほんとうかなあ!?)

で、1曲目の「ヴァルス・ホット」をテナーの人は120回くらい聴くのですよ!

なぜってこの曲3拍子の

「オーヴァー・ザ・レインボウ」だから。

ブリッジの前までですけどね。
で、tpのブラウンとtsのロリンズのソロから、
B♭楽器御用達のおいしいフレーズをいっぱいコピーしてください。

アドリブ初心者の方はこういった、《知っている曲のコード進行を持つ別の曲》から「ネタ」をたくさん仕入れて、それをいろんなキーで練習するとよいです。
まあ初心者じゃなくてもこの作業はどこかでやってますけどね。

このワザ(というほどでもないが)に気付くとあなたのフレーズ、
めちゃめちゃ増えます。

2007年1月 9日

スパイス効かそう2007!

surfride.jpg お勧めCD:サーフ・ライド

明けましておめでとうございました。

もう、過去形ですね。

皆さん今年もサックス楽しくやりましょう。

1年の始まりだから、何かスタートにふさわしいCDでもご紹介しようかと思います。

迷った挙句に、今年はアート・ペッパー。

玄人職人のスティットをやっぱり年頭にとも思ったんですが、
このダサダサ・ジャケットを年の初めに掲げます。
いやいや、この脱力ジャケット、

新年の福笑い

のように有難いご利益がある気が致しませんか?

ワタクシ、このアルバムは『1年を乗り越えて行く運気』のようなモノが感じられるのです。

当時ペッパーは27歳。

「これから、オイラ『ズージャ』をブリブリかまして行くもんね。 おりゃおりゃ~」
と言ったか言わないか、

知りませんが、とにもかくにも軽快な勢いがあってよろしいのです。

自分がペッパー(胡椒)なら、『ナツメグ』『オレガノ』『チリ・ペッパー』なんていかが?

なんて『調味料シリーズ』のオリジナル曲もイカシテます。

1年をピリリとスパイス効かして、波に乗って行きましょうや!

2006年12月21日

ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス

sadaoplaysparker.jpg お勧めCD:A NIGHT WITH STRINGS(3)

渡辺貞夫さんであります。

「へー?ナベサダなんて聴くの??」などと失礼なことを言ってはいけません。

だいたい本当のファンはナベサダなんて略称を使いません。
尊敬の念を持って、

「サダオさん」

とお呼びします。

「モーニング・アイランド」でサダオさんを知った方は、その翌年発売されたド・ジャズの「バード・オブ・パラダイス」を買って、

「あの、内容が違うんですけど」

と返品の嵐になった、という悲しむべき時代もありました。

でもサダオさんは、ブラジル音楽やフュージョンを演奏するより、メインストリームの4ビートを奏でるときの方が、活き活きするように感じます。

根っこはやっぱり「パーカー」の人だから、このアルバムでパーカー節を繰り出すサダオさんは本当に気持ち良さそうです。しかもサックス吹きが死ぬ前に一度は演りたい「ウィズ・ストリングス」。
このゴージャスな雰囲気であのチャーミングな「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」のメロディは本当にトロケそうです。
「チクショーこんな風に彼女の前で吹きたい!」アルト吹きの男ならクリスマスの夜に絶対にそう思います。

1年を締めくくる音楽は、メイシオやキャンディでノリノリなのもいいけれど、日本人でこんなしっとり演奏できる大先輩がいることを、私達はもっと誇りに思っていいとおもいます。

皆さんがステキなクリスマスを送れますように。

Merry Christmas to you.

2006年10月 3日

ジョン・コルトレーン1(John Coltrane)

bluetrain.jpg お勧めCD:ブルー・トレイン
「おう、まっとうだねえ」
という声が聞こえそうですが、まあ初心者の人が多く来てくださるサイトですから、こういう黄金の1枚は「知らなきゃズイマですぜ」ということをお伝えしておかなければなりません。

いや、まずいかどうかより、知らなきゃ、はっきり言って人生の損です。

こういう音楽が純粋に「カッコイイ」と思えるようでないといけません。
やれ「ベタ」だなあ なんて往年のジャズファンから見れば超入門版かもしれませんか。
でも、そんなジジイには

「だったらこんな風に吹いてみろ」
と言ってやりたくなります。

3管の重厚なアンサンブル、メロディーの分かりやすさ、疾走するアドリブライン。
ジャズが「カッコイイ!」と思い、こんな音楽を聴けるようになった自分まで「カッコよく」なった気がします。

なに、しない?しない貴方はだいぶひねくれてる。

高尾山の琵琶滝に当たるなりして修行してきなさい。

コルトレーンもカッコイイが、僕がこのアルバムでもっとも光ると感じているのは実は
リー・モーガンのトランペット。

サックス持って、こんな奴とフロント組んで吹けたら死んでもいい(死ぬのはやだけど)と思ったりします。

トランペットはこう吹いてほしいのよ、の見本です。

今年あたりの学園祭は、軟弱なフュージョンじゃなく、こういうハード・バップに真っ向から取り組むバンドはいないもんかのう!
譜面も出てるから、トライしてみてください。

2006年9月15日

ポール・デスモンド(Paul Desmond)

oberlin.jpgお勧めCD:Jazz at Oberlin


私はひねくれもんですかねえ。だいたいデスモンドをお勧めするなら、テイク・ファイブの入ってる「タイム・アウト」かオルフェのサンバが入った「テイク・テン」になるかもしれません。

でも私はこの「クール且つ熱い」デスモンドが震えるほど好きです。
だってこれ学園祭のライブ録音ですよ。録音状態もそんなに褒められたもんじゃない。

しかしこの美しくあふれ出るインプロビゼーションはどうですか!?
昨今のアルト吹きで、ソロが燃えてくると決まってフラジオでキューキューやってる奴はこういう演奏を聴きなおして欲しい。

高い音が出りゃ偉いのか?

(少し偉いけど)

もちろんアルティッシモ音域は出てくるんだけど、使うならこういう使い方が良いですよ。
「パーディドなんて循環じゃん。」そんなこと言ってるあなた、こんなパーディド吹いてごらんなさい。
平成のプレイヤーでこんな歌心あるインプロビゼーション出来る人おそらくいませんよ。
アマゾンのレビュアーも的確なのでそちらも是非お読みください。

アルト吹きなら、こういうアルバムがマストアイテムだと思うんですけどねえ。
ジャケットデザインがイカシテるでしょ。

2006年9月 1日

フィル・ウッズ(Phil Woods 2)

フィル・ウッズ←公式サイト
warmwoods.jpg
お勧めCD:ウォーム・ウッズ


夏が終わったばかりでありますが、暖かくする準備は早いほうが良いのであります。
さてこのアルバムジャケット、いいですねえ。若き日のウッズが暖炉の前で愛犬とくつろいでいる様。で、内容が「このまんま」のリラックスムードであります。エモーショナルなプレイもありますが。プレイに余裕綽々と言う感じなのです。そうね、言ってみればフルパワーの75%で演ってる感じでしょうか。

まず1曲目、In Your Own Sweet Way がはじまると、
「あ~アルトやっててよかったなあ」と思い 「いつかこんな音色で吹きたいなあ」とそれから
20年間思うのであります。

2曲目のEasy Living もアルトをやってる学生さんなら一度はこのソロをコピーしたくなるでしょう。フレーズ的には難しいこともやってないので、耳コピも比較的取り安いと思います。ただ雰囲気がネ。なかなか出せません。

きっと暖炉の前で愛犬とゆっくりこのポーズを取ると良いのかもしれませんが・・・。 ここでもやっぱり《脱力》がテーマだったりしますね。

2006年8月 4日

デクスター・ゴードン1(Dexter Gordon)

dex1.jpgお勧めCD:ダディ・プレイズ・ザ・ホーン
今日はワタクシにしてはちょっと珍しいアルバムをご紹介。

「おまえこのテナーものすごく好きか?」

と問われると、

「そ、そんなに・・・」

とつい言ってしまうテナー奏者デクスター・ゴードンであります。

でもたまに取り出して聞いてしまうアルバムがこれ。
テナーやる人に、めちゃくちゃ参考になります!!とはいいません。
なんかこのジャケットどおりなんですよ。

「おいらの父ちゃん、テナー吹くんだ」
「へえ。きいてみようじゃないか」
「こんちは~♪ブォ~ン、ブブブォ~~~ン」
「なるほどねえ」

てな具合です。
ほのぼのテナーって言うんでしょうか。
でも、コンファーメーションを聞いた後のニューヨークの秋はシビレますぜ。

今このアルバムが1000円で買えるたあ、父ちゃん泣けてくらあ!

2006年7月21日

アート・ペッパー2(Art Pepper)

modernart.jpg お勧めCD:モダン・アート
「タコ氏は白いのと黒いのとどっちが好きなの?」
と聞かれることがあります。
別に白人だから・黒人だからという聴き方はしません。

「ジャズは黒くねーとダメだ!」

というひともいますが、僕はそこまで偏ってはいません。
白さの代表アート・ペッパー。
僕は彼のアルバムではコイツが最高傑作だと思ってます。
後から素晴らしい未発表テイクも出てきました。でもですよ、でも!
このアルバム、出来ればアラジンセッション盤のLPの曲順で聴いていただきたいのです。

ブルース・インで始まりブルース・アウトで終わる。

これがこのレコードの「物語」なのですよ。

ベン・タッカーのベースとペッパーのDuoで語られるこの2曲が物語の序章と終章。
間に挟まれる「君微笑めば」「恋とは何でしょう」などの曲名からもこのアルバムがただのアルトプレイヤーのCDの一つではなく、タイトルの示す「モダン・アート」という【作品】として鑑賞する必要があると思うのです。

iTunes Music Storeで音楽は簡単に買えるようになりました。でも1枚のアルバムを作品として鑑賞する機会は激減した と思います。
是非サックスを演奏しようと思う方で、このアルバムを聴いたことがなかったら、オリジナルLPの曲順でお聴きいただくことをお勧めします。

2006年6月16日

ソニー・スティット2(Sonny Stitt)

stitt02.jpgお勧めCD:ソニー・スティット+1
「私のソロネタはほとんどここですアルバム」教えちゃいます。
でも買わないでね、ネタバレだから。3年前どっかで吹いたThis Is Always は、ほぼこのテイクのパクりでした。
だってこのソロサイズといいフレーズ使いといい、こんな美しいアルトの見本聴いちゃ真似するしかないでしょ。

私は20年前にLPで買いましたが、再発されたCDに未発表曲が入ったので急いでこちらも購入。+1となったのはTill the End of Timeという曲。いい曲だなあって思ってたら、これ原曲はショパンの英雄ポロネーズだったんです。ピアノの原曲と聞き比べても面白いですよ。

あ、でも買わないで!!

2006年6月 5日

キャノンボール・アダレイ夏!(Cannonball Adderley)

cannonball03.jpg お勧めCD:キャノンボールズ・ボサノヴァ+2


さあ夏の準備はいかがですか?

気が早いって?何言ってますかあなた。
夏にライブ予定の人、いつかはキャノンボールみたく吹いてやるって人、はたまたドライブで聴くだけの人でもこのアルバムはチェックしといてくださいね。

それにしても「僕、今ブラジル来てますねん。暑いでっせ!」みたいなこのブラジル観光絵葉書ジャケットはどうにかならんものか?デザインもへったくれもないひどいジャケットであります。

じつは管理人、過去にディスクユニオンでこのジャケット違いのレコードを同名異盤と思い込み買ってしまったのです。
その海賊版、アルトを吹くキャノンボールのビジュアルは「チョット兄さん、ココまで来てこの子見逃す気かい」って言いたげな怪しさぷんぷん。

まるでマカオの結婚詐欺師 のようであります。

本家のアルバムも海賊版もビジュアルがこんなだし、名盤中の名盤て訳でもないので、知ってると結構「通」ですねえ。

肝心の演奏はかなりイイ。キャノンボール以外の面々はいわゆるジャズ屋じゃありません。
ピアノ弾いてるのはセル塩麺です(ナンでオレのPCはこう変換するのか!!!おれは坦々麺が好きだ!)、
セルジオメンデスって「マ種毛灘」(ダメだ今日は)の生みの親、さあキャノンボールとの相性はいかに!

と、どっちかというとBGMになりがちの曲が並んでますが、どっこいアルト吹きの僕たちは、キャノンボール節とじっくり取り組むのにも使えます。 つまりこういうさらりとした曲を「巨砲」はどう料理してくるか?

「そうか、この曲はこの辺の音域でクイクイっと演るのね」
「テーマのヴィブラートはこうのバイブレーションが艶っぽいなあ」
とか、いろいろ勉強になるのですね。

2006年5月17日

ジャッキー・マクリーン2(Jackie Mclean)

maclean02.jpg お勧めCD:マクリーンズ・シーン
本日5月17日はマクリーンの誕生日であります。そこで今日は管理人の彼のフェイバリットアルバムをご紹介。

僕はブルーノート時代よりも若いプレスティッジ時代の吹込みが好きです。

演奏自体はぎこちなかったりするんだけど(リハ不足?)、この頃のマクリーンは、何というか
「僕はアルトサックスを吹くんです、練習中なんです、聴いてくれますか?僕はジャッキー・マクリーン!」
みたいな、いうなれば、早稲田大学モダンジャズ研究会に道場破りに来た東村山大学(なんだそれ)の元気のいい大学一年生みたいなのだ。

サックスが好きで好きで好きで好きなんだよう!!!そんなどうしようもない気持ちを小粋なスタンダードナンバーに直球でぶつけてくるマクリーンがたまらなく愛しいのであります。

2006年5月11日

ジャッキー・マクリーン(Jackie Mclean)

coolst.jpgお勧めCD:クール・ストラッティン
このアルバムリーダーはピアノのソニー・クラーク。
もしあなたがジャズをあんまり知らないけど「知りたい!」という位置に立っているとすれば間違いなく聴くべきはこのアルバムでしょう。

この録音は1958年。僕はその約30年後の1986年、第1回マウントフジジャズフェスティバルでジャッキーマクリーンとウッディ・ショウのフロント2人からこのタイトル曲の出だしユニゾン

「♪ぱぱ~ぱ」

の音が出たとき、会場全体から怒涛の歓声が湧き上がったのを忘れることができません。

本家アメリカではこのアルバルは不人気盤だったそうですが、日本では物凄く売れました。今もジャズ入門アルバムとしては根強い人気です。
そして当サイトからお勧めする理由の一つにジャッキー・マクリーンのアルトサックスの音があります。
彼はよく「音痴」だの「ピッチがヤバイ」だの言われた人。確かに?というところもないではないですが、その独特な硬質で人間的哀愁を帯びたある種叫びのようなサウンドは聴く人を強く惹きつけます。そして、彼のあといわゆる「僕はマクリーン直系ですっ!」というアルト吹きも登場してない気がするのです。
その意味でもワンアンドオンリー。ソニー・ロリンズの項で「ロリンズ節」といいましたが、彼も「マクリーン節」といわれる独特のサウンドを持っている一人です。今年3月惜しくも他界してしまいました。合掌。


50年代はプレスティッジレーベルに元気溌剌な録音を残しておりますが、ブルーノートに移籍し、本作以降はだんだんとジャズ通好みのアグレッシヴな世界へ突入していきます。こちらはまた別の機会にご紹介しますが、マクリーン入門篇として先ずはこの辺からまいりたいと思います。

え?2曲目のブルー・マイナー吹いてみたいって?そうでしょう、そうでしょう。あなたいい耳してますよ。

2006年5月 9日

ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)

rollinz.jpgお勧めCD:サキソフォン・コロッサス


テナーサックスの方お待たせです。まずロリンズ。好き嫌いは別にして、とりあえずこのアルバムは聴いておきましょう。テナー吹きのくせにこのアルバム知らないともぐりになります。
陽気な「ロリンズ節」で有名ですが、その独特のリズム感を感じてみてください。
特にカリプソ=ロリンズという図式があるほどです。
陽気なリズムに『セント・トーマス』ってメロディーは合いますよね。
あ、「カリプソって何?」の人います?
カリブの伝統音楽ですよ。

去年の秋、引退公演で来日したとき、朝日新聞のインタビューでこんな風に応えていました。

「僕はね『ジャズは好きじゃないが、君の曲は好きだ』と言われることがあるんだよ。他のプレーヤーと違いがあるとすれば(両親の出身地の)カリブ海音楽になじんでいることかな。ビーチとダンス。カリプソは楽しい音楽だけど、植民地支配への抵抗運動の歌でもあったんだ」

こんなコメントを聴くと、単に『ネアカ』なのがロリンズ節ってわけでもないことが分かります。

私の学生ジャズ研時代、先輩から

「ロリンズごっこするからフレーズ吹くなよ」

って言われてワンノートでリズムトレーニングをさせられたのを思い出しますが、必死で能天気にやることしか考えてなかったかもしれません。

でもビートに乗ってワンノートでソロをとるのはリズミックなアドリブの練習になりますね。


彼は楽器にはほとんどこだわらず、マウスピースも「何でもいいよ」という感じらしい。 何を吹いてもロリンズに聴こえてしまう凄い人。今はセルマーの新しい楽器を使っています。

2006年5月 1日

アート・ペッパー (Art Pepper)

pepper.jpgお勧めCD:アート・ペッパー ミーツ・ザ・リズム・セクション

もうこれしかないでしょう。と言われるアルバム。あまりにも日本人の好きな1曲目「帰ってくれてうれしいわ」(原題とはニュアンスが違うらしい)をやってみたくてサックス買っちゃう人多し。
ジャケットに映るペッパーのジャケット(オヤジギャグ?)を求めてイタリア中を駆け回ったマニアもいると聞く、粋なペッパーファッションですが、それにしてもカッコイイ秀逸のジャケットデザインセンス。

そしてバックのリズムセクションの乗り心地が最高です。なぜならこれ、当時のマイルスバンドの《ザ・リズムセクション》が録音にブッキングされたから。
ペッパーは70年代に一度復活を果たしますが、やはりペッパーのベストは音色・フレージング・スイング感ともこの50年代に軍配が上がります。
それにしてもこのアルバム、最高の録音がなされた幸せなレコードなのです(ハッ!CDか!)。DVDオーディオ版ではジャズオーディオマニア垂涎のオリジナルモノラルトラックが!
楽器は日本ではなかなか入手できないマーチンのアルトを吹きます。晩年はセルマーを吹いていましたね。

2006年4月26日

キャノン・ボールアダレイ (Cannonball Adderley)

adderley.jpgお勧めCD:キャノンボールアダレイ・クインテット・イン・シカゴ


私の場合、ちょっと聴き込んでいくとこの人どう?となるのがキャノンボールでした。でかい人でアルトサックスがおもちゃに見えます。WABASH、アラバマに星落ちてなんて曲聴くと、あーアルトってこんな風に吹きたいなーといつも思います。
キャノンボールはアルバムによって音楽の方向性がかなり違います。まずはこの辺から聴くのが耳アタリがいいと思います。あ、あとウィズ・ストリングスとかも(大甘!?)。

ソニー・スティット(Sonny Stitt)

stitt.jpg
お勧めCD:ソニー・スティット&ザ・ニューヨーカーズ


この人は黒人のパーカー派。そのプレイがパーカーにそっくりといわれ、 いやになってパーカーが死ぬまでテナーを主に吹いていたといわれています。でも、聴き込むとそんなにパーカーっぽくはなく、むしろ解かり易くて明るい感じ。

哀愁のミュージシャン的表現をする人もいます。オットーリンクのメタルマウスピースを主に使う人で、そのダークで枯れたトーンはサックス吹きの永遠の憧れです。フュージョン好きからは古臭くてイヤという人もいますが・・・。 実はココの管理人は過去のビッグネームでは一番のフェイバリットプレイヤーです。
コピーも一番多くやりました。(トランスクライブもパーカーより取りやすいしね)

2006年4月24日

フィル・ウッズ(Phil Woods)

フィル・ウッズ←公式サイト

お勧めCD:ウッドロア woodlore.jpg

白人アルトサックス奏者のフィル・ウッズは、チャーリー・パーカーの影響を強く受けすぎて、 パーカーの死後、彼の未亡人と結婚してしまった。
これはパーカーの楽器が欲しかったからだという説も!
このアルバムは「パーカーになりたいんだよう」と思っていた彼がその呪縛から放たれ、自分のスタイルを確立してきた初期の作品で、 これぞアルト!といったリッチで明るいサウンドと流れるようなフレーズが快感。
軽快な曲から甘~いバラッドにいたるセンスの良い選曲など、 どこをとっても非の打ち所のない、アルトサックスのお手本がぎっしり詰まっています。
フィル・ウッズはセルマーをずっと吹いてましたが、最近ヤマハの新しいモデルを吹き始めました。このまえ、山野楽器で行なわれたクリニックでは「オレはヤマハから1円も貰っていない」と大声で言っていました。強調するところを見ると・・・?。

2006年4月19日

サックスの上手い人たちはどこだ!?

独断と偏見で選ぶ「初心者でも気持ちよくなれるサックスの達人CD」はこれだ!サックスが一番活躍するのがなんと言ってもジャズですよね。JAZZかあ。「誰の演奏を聴けばいいんですかあ」「そんなもんチャーリー・パーカーやジョンコルトレーンに決まっとる」と先輩に言われ、エーそれって難しいですぜだんな。となっていませんか?確かに凄い人たちです。でも、いきなりパーカーやコルトレーンじゃ、わけわからんチンになるCDもあるので「聴きやすい」というか、「聴いて気持ちいい」のから入りましょう。彼らの演奏は、もちょっと聴きたくなってからでよろし。外見のかっこよさもさることながら、なんたって音色にまいっちゃたんでしょあなた。「この音が出したい!」っていう自分のフェイバリットミュージシャンをまず探そう。