2008年10月 6日
日本人プレイヤーは紹介しないんですか?
私たちの好きなプレイヤーは日本人なのに!!って言われてしまいました。それでは!
NEW!:本田雅人「アクロス・ザ・グルーヴ」このサイト、当初はいわゆるモダンジャズの巨匠といわれる方々を取り上げていこう、と思っていて、 現代において活躍中のプレイヤーや新人プレイヤーは、こっちのブログで扱ってきました。
でも、本日冒頭のご指摘をいただいたため、現代活躍中の優れたプレイヤーの方もジャズにこだわらずご紹介していきたいと思います。
さて今月は本田雅人さんであります。
90日講座受講生の方にも、圧倒的人気を誇ります。
作曲のセンスも光り、楽器の扱いも猛烈に「巧い」人ですね。
太いフラジオ、艶っぽいビブラート、そしてカッコいい超絶フレーズを正確に吹きこなすリズム感。 そして端整で若々しいビジュアル。
むーーーー、非の打ち所がない、
というのは彼のようなミュージシャンを言うのでしょうか?
で、サックスだけでなくフルート、リコーダーは言うに及ばず、
トランペット、フリューゲルホーン、トロンボーンといった金管楽器まで操れるマルチぶり。
もともとシャープス&フラッツのリードアルト(学生時代!)だからブラス好きも手伝って、この新作でもブラスアレンジが随所に聞かれます。「春うらら」のフルート+フリューゲル+トランペットのアレンジはご自身の演奏。
「プレイリー・イン・ザ・モーニング」はさわやかなフルートによって奏でられますが、タイトルからサダオさんの 「モーニング・アイランド」
でも、1曲目の「キャプテン・ジョバンニ」がやっぱり本田さんらしいでしょうか、ハイウェイでうっかりスピードを出しそうになったクルマはこの曲を聴いているという噂?
さて、このレコーディングセッションでは珍しくラバーのマウスピースを吹くショットがありました。またヤナギサワの特注かな?
彼のように吹きたい人はご自身によるこのDVDはお宝ではないでしょうか。
↓
本田雅人 徹底解析
本田雅人さんの手元が!口元が!こんなにクローズアップ!
曲は「TRUTH」「待ちぼうけの午後」「夏の蜃気楼」「勇者」「TRAFFIC JAM」 が収録されてます。
2008年9月 5日
去り行く夏に聴くサックス。

お勧めCD:100 Years of Latin Love Songs/Paquito D'Rivera
は、この人ですねえ。
最近というか、もともとクラシックサックスのマスター(7才でデビュー!)でヨーヨー・マ との競演などでクラリネットの名手でもあるパキート。
真に楽器をマスターしたらこうなります。
の見本プレイですが、いや、もう彼の手にかかった楽器は、
おもちゃ。
でありますね。
キューバのイラケレというバンドメンバーだったころは日本では「知る人ぞ知るプレイヤー」でしたが、その後米国に亡命し頭角を現します。80年代後半にラテンフュージョンが流行ったとき、国内盤で「サマー・エクスプロージョン」というアルバムが出ました。
私はこのレコードを買って「サックスちゅうもんは、ホンマえらい音域の広い楽器でんなあ」などと感心だけしておりました。
そう、フラジオ自由自在はこの人が先駆者(?)ではないでしょうか。まあ曲によってキューキューとフラジオ音域が気になることもありますが(嫉妬?)コントロールできてしまうとそっちの音域が
こっちの音域!
になってしまうのですね。
このアルバムはキューキューが抑えられた美しいナンバーが並ぶ、去り行く夏を惜しむようなアルバムです。
モヒートとかパパヘミングウェイなど、ぜひキューバンなカクテルを召し上がりながらお聴きくださいませ。 残暑厳しき日本の9月アーチストはパキート・デリベラさんでした。
2008年7月18日
夏が来れば想い出す。
Getz Au Go Go
「水芭蕉の花」ではありませんよ。
今月のサックスアーチストは誰にしようって、
じつは、前から決めておりました。
スタン・ゲッツであります。
「安易な管理人だな、ボサノバだからだろ?」
それだけではありません。だったらジャズ・サンバやゲッツ・ジルベルトを紹介するでしょう。
このライブ版を持ってきたのには理由があります。
普通の女の子みたいに(実際そうだったらしいが)『春の如く』を歌うアストラッドの横で、 結構勝手に吹いているゲッツですが、この雰囲気が好きだ。
私は学生時代、丘サーファーみたいなカッコをして、クロスオーバーバンドをやっていた。
で、ボーカルに背の高いクラスメートの子を起用したのです。
片想いだったんですよ。この子に。
サークルのライブでこの『春の如く』を唄ってもらった。
ステージ栄えする彼女は当時デビュー3年目の阿川泰子さんより素敵に見えた。
この想い出を胸にしまって25年。
サーフィンの得意な湘南育ちの彼女は、見知らぬ海へと早すぎる帰らぬ旅に出たのでした。
同じ病と戦う人たちの助け合いサイトで、「なぜか死なない気がする」と気丈に語り、
最後までファンが多い様子だった、と後から知った。
今でも、『春の如く』の優しく綺麗な、しかしメジャーなのにどこか哀愁のあるメロディーを聴くと学生という『春』の時代を想い出します。
あれれ、感傷に浸っていたら、スタン・ゲッツが出てきませんね。
この微妙な存在感が「良い感じ」のアルバムなんですよ。
でも、『Here's That Rainy Day』ではホントに夏の濡れ縁に
涙のような雨
が降っている。
テナーでこんなしっとり感が出せるんですね。
で、ゲッツの影が薄いので今日はもう一枚、90年代の遺産を。
People Time
スタン・ゲッツはその死の3ヶ月前にケニー・バロン(p)とこの ライブデュオアルバムを残しています。
これサックスを吹く方(いやいや音楽を愛する方)なら必ず聴いて頂きたいアルバムです。
ろうそくがもう芯だけになり、ゆらゆらと消え行く炎が燃え尽きる前、最後の一瞬激しく光を放つ。
この魂の叫びがあまねく聴く人の心を掴んで離さない、まさに「白鳥の歌」です。
1曲目のEast of The Sunの最初のテーマメロディーが出た瞬間、
「これから僕の人生の話をします」と聴こえる。
「ウッ」と涙腺が熱くなるはずです。
ジャズとはこれ、音楽とはこれ、いや人間とはこれ。
聴けば、我々は残りの人生こそ「正しく生きなければならぬ」と必ず決意させられる
命のアルバムです。
2008年5月31日
梅雨に似合うサックスはあるか?

Paul Desmond Quintet Plus the Paul Desmond Quartet
雨の休日出勤でネットラジオDemensions in Jazzをつけておりましたら、 優しいアルトが奏でるEverything Happens to Meが聴こえて参りました。
ちょうど次のご紹介アーチスト誰にしようかな?と思って窓の外の雨を見ておりましたら、 この音色はピッタリではないかと思いました次第で。
こうした優れたアルバムが国内発売されないから、ジャズ人口が増えないのだ!と憤るところでありますが、いや、気がついた人が口コミで同胞にお伝えすれば良いんですよね。
まあ、この趣味の良い選曲をどうぞリンク先でご確認ください。
このデスモンドは、デイブ・ブルーベックと
「つるんでいない」ので、
非常にしっとりした魅力がストレートに堪能できます。
ブルーベックのことを悪く言ってしまいましたが、これは、「デスモンド=テイク・ファイブ」というアリナミンVドリンクのCF刷り込みが巷にあるせいだ。
この曲でジャズに入った、あるいはサックスを始めた、なんて人までいるほど日本人に好まれる曲です。
でも、この変拍子の曲は確かに魅力あるんだけれども、毎日聴きたいか?頻繁に演奏したいか? となると実はそうでもない、と言うかイヤである(私は。)。
ライブでも、「テイクファイブ演ってよ」とリクエストしてくる人ほどあまりジャズファンでなかったりする。
テーマだけ聴いて、ドラムソロになると
「あゝジャズ聴いた聴いた、お勘定!」
と帰るオヤジにこのタイプが多い。
で、今日は何が言いたいかと申しますと、テイクファイブしかデスモンドを聴いたことのない人にもっと聴いて頂きたいアルバムがあると言うことです。
ブルーベックのエグいピアノに引き立てられなくても、彼の魅力は分かるのです。ピアノレスでこそ引き立つ、デスモンドのクリアーで優しい音色がドンエリオットのメロフォンと絶妙に絡む名曲の数々。こういうアルバムが鬱陶しい梅雨を清々しく過ごさせてくれると思います。
余談ですが、このアルバムでベースを弾いている人、Norman Batesといいます。 私はこの名前でこの映画
梅雨に似合うサックスはあるか?

Paul Desmond Quintet Plus the Paul Desmond Quartet
雨の休日出勤でネットラジオDemensions in Jazzをつけておりましたら、 優しいアルトが奏でるEverything Happens to Meが聴こえて参りました。
ちょうど次のご紹介アーチスト誰にしようかな?と思って窓の外の雨を見ておりましたら、 この音色はピッタリではないかと思いました次第で。
こうした優れたアルバムが国内発売されないから、ジャズ人口が増えないのだ!と憤るところでありますが、いや、気がついた人が口コミで同胞にお伝えすれば良いんですよね。
まあ、この趣味の良い選曲をどうぞリンク先でご確認ください。
このデスモンドは、デイブ・ブルーベックと
「つるんでいない」ので、
非常にしっとりした魅力がストレートに堪能できます。
ブルーベックのことを悪く言ってしまいましたが、これは、「デスモンド=テイク・ファイブ」というアリナミンVドリンクのCF刷り込みが巷にあるせいだ。
この曲でジャズに入った、あるいはサックスを始めた、なんて人までいるほど日本人に好まれる曲です。
でも、この変拍子の曲は確かに魅力あるんだけれども、毎日聴きたいか?頻繁に演奏したいか? となると実はそうでもない、と言うかイヤである(私は。)。
ライブでも、「テイクファイブ演ってよ」とリクエストしてくる人ほどあまりジャズファンでなかったりする。
テーマだけ聴いて、ドラムソロになると
「あゝジャズ聴いた聴いた、お勘定!」
と帰るオヤジにこのタイプが多い。
で、今日は何が言いたいかと申しますと、テイクファイブしかデスモンドを聴いたことのない人にもっと聴いて頂きたいアルバムがあると言うことです。
ブルーベックのエグいピアノに引き立てられなくても、彼の魅力は分かるのです。ピアノレスでこそ引き立つ、デスモンドのクリアーで優しい音色がドンエリオットのメロフォンと絶妙に絡む名曲の数々。こういうアルバムが鬱陶しい梅雨を清々しく過ごさせてくれると思います。
余談ですが、このアルバムでベースを弾いている人、Norman Batesといいます。 私はこの名前でこの映画
2008年5月20日
高音色士風的貴公子って誰だ!?
本日は香港特派員!のMAIKOさんによる、 ケニーGコンサートレポートです。
昨日はお釈迦さまの誕生日...で香港は祝日でした。
この週末はケニーGのコンサートの余韻に浸ってました。
家でもヘビーローテでずっとCDかけてましたよ。
HK$890は高い!!と思っていたけれど、でも、コンサートの後はそんな気持ちふっとんじゃいました。時間にして3時間余り。曲数にして20曲を超えています。最新CDからは3曲だけでしたが香港や中国で有名な曲、そして香港と言えばジャッキー・チェン(と今も言えるのか...)が韓国の女優さんだったかとデュエットした曲までしっかり織り込んで来ていました。(ジャッキー・チェンとは香港の前に北京であったコンサートで会ったとか。本人は上海経由で5/8に香港入り、その夜にはやはり既に香港へ戻って来ていたジャッキー・チェンと一緒に夕食を共にしたそうです。)
サプライズでミュージシャンの紹介をしている際に突然そのジャッキー・チェンがステージに花を持って登場。「夕べそんなこと一言も言ってなかった!!」とはケニーGの弁です。(言ったらサプライズにならない!!)
会場は香港の空港近くにできたアジア・エクスポ・アリーナというところ。最近は外国人のアーティストは好んでここでコンサートをするようになりました。もうすぐエルトン・ジョンのコンサートがあります。(プラシド・ドミンゴとか、何とかアギエラなどもここでやりました。)
会場のキャパはMaxで1万3,500人。この数字分のチケットを販売する予定だったのかどうかは知りませんが会場の設営状態からすると最後方の部分は空席がありましたが買い手が居れば主催者側は販売する準備はしていたと思われます。
ステージに対しての地上席で3,000人です。横50人で私は前から30列目です。 これからこの会場でコンサートを観る際はもたもたせずにさっさと前の席を確保する方がいいなと思いました。ステージには大きなスクリーンがあったので良いとは言え演奏中のケニーGを至近距離で、とは残念ながらかないませんでした。
が、ですね...。
実は地上席の前方でこんな状態ですから地上席の後方、この地上席をU字型に囲む形でのバルコニー席の人たちははっきり言ってステージのケニーGなんて肉眼で拝もうにも無理な状態です。結果、ケニーG本人が動き回りました(笑)。
ほぼ定刻(8時開演で8時15分位でした。→プレ・パフォーマンス・サイン会で会場で新しいCDを買った人で希望者は並んでCDにサインをもらえました。それが影響したとは言え15分だけのずれは奇跡です。/香港の歌手のコンサートなどは開演予定時間の40分遅れ位でだいたい始まりますから。)にスタート。ステージ上のバックミュージシャンがイントロを演奏し始めます。でも、本人はいつまでたっても出てこない。で、アルトサックスの音がぶわ~んと鳴り出した。と、スクリーンに客席が映し出されたのです。
なんとご本人後方バルコニー席に居るじゃないですか!!「え~!!」って感じです。
コンサートでソプラノ以外も演るのは聞いたことはありますがいきなりです。
サイン会の時(私もCDまた買って並びました。→だってツアーライブ録音の特別CDも付いていたので...。)に着ていたブルーのコットンシャツを着替えて真っ白なシャツに黒のジーンズ。くりくり髪が音楽にあわせてなびいています(って感じです。)。アルト持ってるケニーGの図がしっくりこない私ですが、ご本人は実に楽しそうに踊りながら(形容するなら本当に踊ってます)楽しそうに吹いてます。
バルコニー席の一部を開けて階段を設置。セキュリティのスタッフが本人の足元に注意を払いながらケニーGは演奏を続けてどんどんステージに向かってきます。観客は携帯電話やデジカメでばんばん写真取ったりビデオ取ったり...(こういうのがYoutubeに流れ出るんでしょうね。)。残念ながら曲名はわかりませんがダンサブルな元気一杯の曲でした。ステージまで距離がまだ有る中で1曲目を終えたご本人は楽器をソプラノに持ち替えました。次の曲です。アルトの時とはちがって、ひんやりと、でも気持ちのいい透き通った風が流れ始めたって感じのすばらしい音が響きます。
私の席のすぐ前方にお立ち台のようなものをスタッフが作り出したのに気がつきました。「絶対ここに彼は立つ!!」と思った私は本人がまだ到着もしていないのに場所取り決行。案の定、このお立ち台に...。そして、その時に彼の曲はロングノートを披露する部分に来ていたのです。お立ち台の上でクルクルと台の上を周りながら延々とノートが続きます。先生も観に来ていたらしく「あれってどれ位だった思う?」とコンサートの後で聞いたのですが「3分は余裕であったよ。やりすぎ。(笑)」と。
一定のリズムでぷくっとほっぺが少し膨らむんです。で、そのほっぺがしゅ~っとしぼむ。表情は全然苦しそうじゃないです。本当に延々と続くんですよ。1mない至近距離でみた私、だんだん不謹慎ですが、おかしくなってきました。「え~、どうなってんのぉ!!!」って感じです。オーバーシャツ状態だったのでお腹の動きは見えませんでした(もっともこの場合はお腹に息はためませんよね。)が、これがあの「ギネス記録のケニーGの循環呼吸奏法だ。」って感じです。デジカメのフラッシュがまぶしかっただろうなぁと思う点はすごく残念です。(私は機会音痴なので携帯にカメラ機能はなし。コンサートでデジカメはご法度だと思うのでもって来る気もなし。でも、香港の人はスキあらばでしょうか?準備万端です。決していいことだとは思いませんけれど。)
この2曲目をその後ステージに戻ると同時に終えて、またアルトでの演奏です。 またステージで動く動く...。「こんなに元気のいいステージをこの人はするんだ。」と思いました。大きなステージを行ったり来たり。サックス持ってまた踊ってました。表情はやわらか。まるで長い間待ち望んでいたおもちゃをもらって遊び始めた子供のようです。
そして、よく喋る...。挨拶は広東語で。(かなり練習したと思われます。)
曲の合間で、その曲を作った時の思い出なども披露してくれました。
やっぱりソプラノだと「ケニーGだ。」って感じです。新しいCDからの曲3曲もそうですが、ツアーCDの中に収められてる曲のいくつかは「ちょっと違うことに挑戦してるなぁ。(→イメージが違う。)」と思わせるものもありどの曲も楽しめました。
「北京でジャッキーに聞かれた。どうしてひとつのノートをあんな風に長く吹き続けられるのか?」って。「理由は簡単、口で吹きながら鼻から息を吸ってるからです。(...と簡単に言うな!!)」...「吹くと当然息はなくなるから鼻から吸って補充しないとね。補充すれば吹き続けられるよ。」...「ここで吹きながら鼻で息を吸ってるのをお見せします。」
サックスに付いているマイクを外しました。
会場はし~んとしてます。マイクを顔に近づけたと思ったら、彼吹き始めました。マイクなくてもよく音が響きます。私の席でも十分に聞き取れます。...と思ったら「しゅぅっ。」と音が...。鼻で息をする音をマイクが拾ってるんです。 音は当然出続けていますが...。あんなにするどく息を吸い込むもんだともは思いませんでした。それこそ鼻水をすすり上げるような勢いです。〔ぷぅ~~~(しゅぅっ)~~~(しゅぅっ)~~~(しゅぅっ)~~~〕って感じです。
で、にっこり「ねっ?」って。
「ねっ?」じゃないですよ!!
「ジャッキーがこの方法を会得したらずっと台詞喋り続けられる。」って。
「言わなくてもわかってるだろうけれど、ぼくは人間ですよ~。特別なことをしている訳では決してないです。はい。」(この人はこんな明るいオジサンでしょうか?)
テンポの良いお喋りも沢山ですが肝心の演奏もどんどん。次から次へと曲が続きます。
しっとりした曲、コミカルな曲、緩急織り交ぜての演奏は時間が過ぎて行くのを忘れさせてくれます。...と彼またステージから居なくなった。その間にベースの人のソロ演奏の部分がありました。(バックミュージシャンの方たちも実に楽しそう。)そして、それが終わると間髪いれずに次の曲のイントロが...で、今度はテナーの音が会場に響きます。でも、スクリーンは映さない...。みんなが「どこだどこだ」ときょろきょろし始めます。今度は地上席の最後方から登場です。今度は会場をジグザグに動き出した。でも、最後はまた席の近くに歩いてきます。
ラッキーでした。片手が空くノートの際に何とご本人が手を差し出した。
握手してもらいましたよ!
(<気>のパワーが移って私のサックスも多少ましにはならないかしら...と、そんな訳はありませんが。)おまけにウィンク付き。
横の席の女性が「いいなぁ。」って。(えっ?私にウィンクしてくれた訳ではないと思うけれど...。まぁいいか。)
ステージに戻るとすぐにソプラノに持ち替えて...「この素晴らしき世界」です。アームストロングのビデオがスクリーンに映し出されて、いわば共演ですね。この後も数曲。続いて「タイタニック」のテーマ曲のイントロが流れます。...もう、サックス演奏のてんこ盛り。
ここでミュージシャンもみんなステージ中央へ。終わりです。
一旦みんなが居なくなりましたが当然「アンコール」。
ほどなくケニーG再登場。この時既に時刻は11時前。
スクリーンに曲名が「カデンツァ」というものであることを会場の観客に告げたと思ったら演奏が始まります。ソプラノの美しい旋律がどんどん繰り広げられます...。
うっとりしてたのですが、はっと思いました「この人また息継ぎしてない!!」。
「またこの人は鼻で息吸ってるの?」「でも、こんなに早いテンポでしかも複雑な旋律...鼻から吸うにしても...。」...と思ったらスクリーンにドアップが。やっぱり息継ぎ自体はしていないと思います。手のアップも映ったりするもんだから何ともいえませんが。
4分位の曲だと思います(特に短くもなく長くもなく...だったので。)、終わった瞬間に「ふぅ~。」という仕草。(やっぱり息継ぎはなしか?!) 会場は拍手の嵐です。
この頃には再びバックのミュージシャンが再登場。さらにもう1曲。曲名はわかりませんがしっとりと歌い(?)上げる様子は「高音色士風的貴公子(ソプラノサックスの貴公子)」ケニーGです。
※中国語(北京語)でサックスは薩克管(さぁくぅぐぅぅん)と言います。が、広東語は一方言であることから、もともとの音を漢字表記にすることが多々あり(もちろん新聞等は標準中国語です。)、サックスは色士風(せっくしぃふぉん)と言います。
この曲が終了で再度全てのミュージシャンがステージ中央へ「ありがとう。また来ます。」の言葉とさわやかな笑顔を残してステージを後にしました。
私はこのあと「ポスト・パフォーマンス・サイン会」へ。友人がコンサートにこれなかったのでCDにサインをもらおうと再度列に並びました。(何枚買ってもサインはそのうちの1枚にのみサイン...ということだったので2枚にサインをもらうためには2度ならばないといけない!!)
すごい人数が並んでいましたが、にこにことそしてもくもくとサインをしていくケニーG。そしてひとりひとりに「Thank you」と。すごい人数って本当に半端じゃないんです。主催者もよくこんなに沢山のCDを会場に持ち込んできてたなぁって感じです。(ここで1万3,500枚売り上げる気だったか?!) サインだけでも大変な作業。そしてずっと続く彼の「Thank you」の声。すてきな人ですね。
ここで全て終了~で時刻は00時20分。自宅に戻ったのは1時過ぎでした。
即効シャワー浴びてベッドにごろ~ん。MP3に既におとしてあったCDの曲を耳にして「コンサート再び」...でしたがいつのまにか眠りこけてました。
コールマンもよかったけれど、ケニーGもよかったです。
添付は会場でのパンフレットです。表紙と中の記事。(いつも通りスポンサーの広告ばかりでケニーGの頁は見開き2頁のみ。おまけに中文のみ。これはいかんよなぁ...と思いました。)ポンコツスキャナーで写りも今ひとつですがご参考まで?!
MAIKOさんありがとうございました!!
正に興奮覚めやらぬ、という感じですが、香港のコンサートの方が日本よりサービス良さ気ではありませんかね?
では、今月のサックスアーチストは高音色士風的貴公子で。
2008年4月 9日
ジーン・アモンズをご存知ですか?
お勧めCD:ジーン・アモンズ「ジャグ」
日本ではイマイチ評価が低いというか、知名度が低いと言うか、なんでこんなイイ音楽をみんな聴かないのかな?と前から疑問に思っているんですよ。
ワタクシ、実はテナー奏者の中ではポイントをかなり高く置いています。楽器の巧さとか、そんなことではなくて、テナーサックスの音楽として上質なのですよ、安心して聴ける。
たとえば、夕方濡れ縁でとなりの熊さんと将棋をさしているとボス(アモンズのあだ名です。このアルバムのタイトル通りJUGというあだ名もあった)が舶来の葉巻をくわえ、テナーのケースを抱えてのっしのっしとやってきた。
「あー、ボスのお出ましだ」
「ほんじゃ聴かして頂きましょう」
てな感じで、井戸端でおかみさんの洗ってた白菜を横に押しやって即席の「高座」を設えます。
「おう、そんじゃ、ごめんなすってよ」と井戸端の柱に腰を寄りかけて「ブウォ~ン」とキズだらけのテナーから太く逞しい音を奏でるボス。
すると長屋の連中が音を聴き付け「お、ボスが来てんだね!」とワラワラ集まってきて、月が昇るとボスを中心に輪になってみんなでブルースを踊り出す。
そんな感じです。(様子、わかります?)
なんといいますか、独特な親しみがあるのですよ、それこそ頼れる親分だから。
アルバムの選曲も気を衒った所がないし、「アモンズに駄作なし」と昔のファンも言います。
変わり映えのしない音楽、と言ってしまえばそれまでですが、私は大好きなテナー奏者です。
彼の誕生日は1925年4月14日。ということで今月のアーチストはボスに敬意を表しフィーチャーいたしました。
一躍有名になったソニー・スティットとのバトルアルバムBoss Tenors: Straight Ahead from Chicago 1961もぜひ聴いてみてください。
「枯葉」がちっとも枯れてない
ご機嫌な演奏にあなたもノリノリのはず。
そして、彼の遺作となったのは74年のその名もGoodbyeです。
ボスが大きな背中にテナーを背負って、「じゃあな、あばよ」と天国への階段を昇って行く涙なくしては聴けないアルバムです。
生涯その無骨なまでのテナースタイルを変えなかったボス。今夜あたり、じっくり有り難く味わおうではありませんか。
2008年3月12日
オーネット・コールマン・コンサート
今日は香港在住のremote student であるS.MAIKO さんからのメールをご本人の許可を得て、掲載いたします。 オーネット・コールマンのコンサートの感想を送ってくださいました。【MAIKO さんは特別講座2期生です】
ここから
↓
先生お久しぶりです。今日は質問ではありませんがメールをさせて頂きます。
2/29(金)にコールマンのコンサートに行ってきました。
まずはひと言...とすると「めちゃめちゃかっこいいおじいちゃん!!」です。
ステージに出てくる時はゆっくりゆっくりと歩いてきたし、年齢も年齢ですからやっぱり「年配のおじいさん」的感じは否めませんでした。が、歩いて舞台の中央にたどり着いても準備されている椅子(バーにあるような椅子、スツールって言うんでしょうか?)に腰かけるでもなく、結果的に1時間半余りの時間、ず~っと立ちっぱなしでした。サックスって軽いものではないですよね...。
ドラムは息子さんでした。加えてベースが3人。コールマン用にちゃんと楽譜台があって楽譜もおかれていました。でも、きっと彼見てません。演奏の時、楽譜の方に目をやることなんてなかったと思います。一応曲が終わるたびにベースの人が楽譜を替えていましたが...。
各曲も「いち、に、さん...」で始まるようなものではないんです。でも、舞台のメンバーはみ~んな、いつ、どうやって始まるかがちゃんと理解できてる。コールマンがサックスを口にして...でもしばらくはシーンとしている。観客がぐ~っとどうなるんだろう...って待ち構えてる。...と思ったらいきなりみんな一斉に演奏が始まる...。「コールマン本人がサックスを口にしてから何秒後って申し合わせでもしているの?」と言いたくなる位みんなば~んと演奏が始まる...。
信じられません。みんなが自分の呼吸でリズムとって気持ちの準備がピークに達したところで各パートの演奏が始まる...一斉に寸分の乱れなく...という感じです。鳥肌ものでした。
マイナー、メジャー関係ないというか<調>がないメロディー?(どういっていいのかよくわからないのですが。)がどんどん目の前で展開されていきました。コールマンほか舞台の上の人み~んなが実に楽しそうに演奏しているんです。演奏を聴くというよりあんまりみんながそれぞれ楽しそうなんでそれを観ているこちらもなんか嬉しくなってくるというか。
即興的に普段と変わってる部分も沢山あったのではと思わせる場面?ありました。コールマンの立ち位置近くにトランペットとバイオリンが用意されていました。サックス演奏中にふとサックスをやめてトランペットを手にしました。
ちらりと横目で自分の周りのプレイヤーに目をやり構えるんです。こちら観てる方は「何?何?」って感じです。で、トランペット...結局サイドテーブルに置いてしまったりするんです。「えぇ??トランペットはやめ?!」みたいな感じです。超フェイントです。バイオリンでも同様のことがありました。でも、周りの人たちはいたって普通。自分達のパートを続けているんです。 コールマン本人が忘れてしまって吹かなかった、弾かなかったってことはないでしょうから...。
曲はアップテンポなものばかりだったです。コールマンの指がサックスの上で踊っていましたよ。
演奏の技術がどうとか難しいことはわかりません。でも、とにかく彼や周りのメンバーが楽しそうに演奏しているのを観て「私もあんな風に楽しくかっこよく吹けるようになりたい!!」と思いました。(偉そうに...。)
コンサートのラストはスタンディング・オベーション。何度も何度も頭を下げるコールマン...こちらが「楽しい時間をありがとうございました!!」って感じでした。
練習練習また練習ですね!サックスのレッスンをするようになってはじめてすご~い方の生演奏を10Mくらいの至近距離でみた今、「頑張るぞ。」っていう感じです。残念ながら先生との時間の折り合いがつかず、独習状態が1ケ月余り続いていますが。
ただ、ブラバン経験者の友人とイースターの休暇時(03/21~/24)に毎日小さなスタジオで おこもりして吹く約束になっているので...。それを今は楽しみにしています。
何ともお粗末なメールですがコールマンコンサートの報告?!です。
別添は会場でのパンフレットです。(小冊子になっているのですが、宣伝ばかりでコールマン自身のことは中文、英文の7ページのみ。中文の頭にかっこいい写真が載っていたのでその部分を送信します。)
香港はやっと暖かくなりました。今週はコートなしです。今日は日中23度。湿度がそんなに高くない(67%)のでいい感じです。
↑
ここまで
Maikoさん、ステキなコンサートレポートどうも有り難うございました。
コールマンの音楽は、聴く人によるとちょっと「キビシイ」感じも受けるかもしれないですが、こんなに素直に楽しめて素晴らしいことだと思いました。
それではMaikoさんへの応援の意味も込めて今月のサックスプレイヤーはオーネット・コールマンで参りましょう!
はじめてでも聴き易いのはこのアルバムでしょうか?
彼のデビューアルバムです。「ジェイン」なんてテーマも親しみやすく軽快なナンバーです。
お勧めCD:オーネット・コールマン「サムシング・エルス!」
食わず嫌いを止めて、コールマンが走り始めたスタート地点に立ってみましょう。
そして!必ず聴いていただきたいのが『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン』。
その秀逸なジャケットデザインだけでなく、フリー・ジャズというカテゴリに入れることすら憚られる20世紀のあまりにも偉大な遺産であります。
他のアルバムも左のウィジッドからレビューを参照ください!
←←←
2008年2月13日
ジョン・コルトレーン<2>
米国大統領選挙が面白くなってきました。別に私は特定の候補者に強い思い入れがあるわけではありませんが、
やはりジャズ系のサイトを運営しているからには、小浜市じゃなかったオバマ氏を応援してみたい気になっています。(ブラック・イズ・ビューティフル?短絡的だなあ)
で今月のサックスプレイヤーはコルトレーンを。

お勧めCD:ジョン・コルトレーン「コルトレーン」
この、深く遠く語る視線が
オバマ氏に被りませんかね?
この初リーダー作を発表したコルトレーンは31歳。
「来るなら来い!」の時代だと思います。
もちろん彼のアルバムはお勧めしたいのがたくさんあります。
今月のウィジッド(左で上下に流れるアルバム)は私の好きなアルバム群ですが。
サイトをいろんなページをお読みいただいて、書いていることに共感を持っていただけるのなら、 おそらく皆様のお好みに「ハズレ」ません。 (しっかし今、CD安いですねえ!悔しい!!)
さて、このジャケットの彼の顔、凄く好きなのですが、このレコーディングの直前 ヘロインとアルコールを完全に断ち切って、神の恩寵により「霊的覚醒」を体験したという話があります。
もっともこれは、酒を飲みすぎて(ヘロイン中毒の禁断症状を絶つため)カフェ・ボヘミアの楽屋でマイルスに
ぶん殴られて目が醒めた
と言う話からできたのかもしれません。
いずれにしても、音楽への強い信念と漲る自信を得た一人の男が、この後音楽界のひとつの激しい流れを作り始めるきっかけになった「初リーダー作」はテナー奏者のあなたならぜひともお聴きになられてよろしいのじゃないでしょうか?
特にバラッドの名演「コートにすみれを」なんて、タイトルもグッと来ますが50年前の演奏なんて思えません。痺れっ放しですよ、あなた。
2008年1月16日
ルー・ドナルドソン<1>

お勧めCD:ルー・ドナルドソン「ウェイリング・ウィズ・ルー」
「ルー・ドナルドソンというアルトの名手のCDを何か紹介してください。」といわれると、同じブルー・ノートレーベルの「ブルース・ウォーク」や後期の「アリゲーター・ブーガルー」を挙げる往年のジャズファンが多い。
もちろんそれらは名盤には違いないが、管理人はこのアルバムになじみが深いのです。
WAILINGってどんな意味かな?
「ルーとともにむせび泣いて?」
という訳は正しいか?
ジャズでは
「イカしたプレイしやがる奴らだゼ」
って感じではないでしょうか?
管理人はこのレコードばかり長く聴いていた時代があります。
演奏がすこぶるいいとかどうとかじゃないんです。
理由はキャラバンとオールド・フォークスとノーグレイターラブが入っているから。
そう、学園祭で自分のバンドの演目だったからですね。
当時の管理人はトランペットのダチ公と2管フロントでハード・バップをやっていて、このルー・ドナルドソン(as)&ドナルド・バード(tp)のサウンドをひとつのお手本にしていました。
つい先日、当時を思い出しながら聴いてみました。
やあ、イカした、と言うか本当に絶妙の演奏であります。
別に興奮の坩堝(るつぼ)なる快演!などにはほど遠いのですが、 肩の力が抜けた、余裕綽々の演奏で
「オメーら、ジャズやるんなら、一応この辺必修だぜ」 と先輩に横面を軽くビンタされてる気分であります。
アルトの人はこのオールド・フォークスという名曲についてはこういう演奏をひとつのお手本として、まさに 必修というか是非レパートリーに入れて頂きたいと思う次第であります。
以上、年頭所感。
で、サイドバーに「今月のサックス奏者:おすすめCD」を流すことにしました。
← CHECK!してみよう!
2007年11月29日
クリスマス的ソプラノ。
お勧めCD:ケニーG/Faith: A Holiday Album
クリスマスがやってきます。
で、私は幼稚園とか老人ホームなどで クリスマスソングを演奏する機会があります。
一番好きなのは、メル・トーメの「ザ・クリスマスソング」なんだけど、
子供達の前では、「サンタが街にやってくる」 「そりすべり」「赤鼻のトナカイ」なんかが喜ばれ、
おじいちゃんおばあちゃんの前では、「きよしこの夜」や「ヒイラギ飾ろう」が 喜ばれる。
と、思いきや、
そうではない。
むしろ、手拍子がいっしょに出来るようなミデゥアム・バウンスのナンバーがウケたりします。
お年寄りを前にしたからって、しっとりな曲ばかりじゃ却って失礼なのです。
で、今日はクリスマスに何を吹こうかという方にお勧め。
「なあんだ、それか」
という声も聞こえるし、
「へえ、ケニーGなんか聞くの?」 という声も聞こえますね。
まあ、彼のアルバムはこれしか持っていないんですが、
クリスマスが来ると1回はかけるCDです。
どうしてでしょう?
彼のソプラノはクリスマスを運んでくるから。
もちろんテナーも巧いんだけど、彼のソプラノは実にクリスマスのためにあるような音色だと思うのです。
で、皆さんも演奏する前にこういう「クリスマスらしい音」をお聴きになってイメージを膨らませて吹くといいと思う次第です。
ちょっと吹ける人は、Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
これではリズムがちょっと難しい、と思った人は、O Christmas Tree
に挑戦してみてはいかがでしょう。
勿論アルトやテナーで吹いたっていいんですよ。
譜面はこちら→ Kenny G-Faith: A Holiday Album (Artist Transcriptions)
あ、音色で勝負したい人は、もうちょっと定員枠ありますのでお早めに。
→第2期会員募集まもなく締め切り
2007年10月 4日
秋の夜長にしっとりな「低音」を。
お勧めCD:ナイト・ライツ/ジェリー・マリガン
クレームをいただきました。
「おまえ、アルト吹きかなんだか知らんが、
テナーはおろかバリトンの紹介がまったく無いじゃないか!」
仰るとおりでした。
申し訳ございません。
バリトン・プレイヤーの方もお眼に留めていただいていることは、
認識不足で誠にもってお詫びの言葉もございません。
さて、
急に終らすな(怒)
バリトンといえばまずこの人であります。
私、この方は『生』を拝聴しております。
1982年の夏、忘れもしない
『バドワイザー・ニューポートジャズフェスティバル・イン斑尾」
あれが、「夏といえばジャズフェス」のスタート地点だったかもしれません。
勿論そのあと86年からはじまる「マウントフジ」は毎年欠かさず足を運びましたが、 この「マダラオ」は強烈に脳裏に焼きついております。
夏の高原に土砂降りの雨が降る中、スパイロジャイラの 「モーニングダンス」で総立ちで踊り狂った学生時代の一コマ。
いけね。今日はマリガンでしたね。
その夜、ジャムセッションで目の前で動くジェリーマリガン。
そりゃ、動くわい(怒)
その頃は私はフュージョン小僧だったので、 はっきり言って震えるほどの感動は無かったのですが、 でかいバリトンがテナーぐらいにしか見えなかった感じがします。
背が高くやけに足が長くって、私なんぞは彼の股の下をアルトを担いで行ったり来たり出来そうでした(やってみろ)。
で、こちらのアルバムであります。マリガンをこのサイトでご紹介するなら、まずチェット・ベイカーとのユニットをもって来るべきか迷いましたが、最近急に朝晩涼しくなって、秋の夜長に聴く向きにはこちらがお勧めかと存じまして、はい。
バリトン奏者の方にはまたまた申し訳ないのですが、
マリガン氏、タイトルチューンではピアノに専念。
でも、これが美しい。
他の曲もゴリゴリのジャズではなく、ボッサやショパン(あのピアノの詩人ですよ!)なども取り上げて、いわゆる「聴きやすい」アルバムですから、ジャズの入り口に立とうとする若い方も十分楽しめると思います。
3管のフロントはトランペット、バリトンサックス、バルブトロンボーンと重量級を想像しますが、サウンドは極めてソフト。こういうのを大人のジャズといいます。でも中学生も十分親しんでよろしい!
近年、でかい音と早吹きの音数で張り合うフロント諸兄に、是非こういう「節度ある」演奏でご自分を見直していただきたいと思うわけであります。
ねえ、バリトンの先輩、いかがでしょうか?
(ト書き : ニヤッとして静かに頷く)
2007年9月10日
「采配を振る」キャノンボール大将。
お勧めCD:キャノンボール・アダレイ/テイクス・チャージ
「俺はホーン吹いてるだけだ、野郎ども、しかっリアワセロヨ!」
と親分が言いました。
永らくレーベルの権利の問題だとかで、廃盤だったアルバムです。
で、美味しい別テイク2曲付き。なのにこの値段。
安く手に入るのは嬉しいですが、なんか悔しい気もする。
こんなうっとりするようなアルトの音は、そんな値段じゃ聴けねーです、フツウ!
結論から申し上げます。当サイトにお越しのサックス勉強中の方はアルトの人だけでなく、テナーの人も買いです。
音色、フレーズが見本?いやそれだけでなく、あんまり有名でない曲でも愛らしいメロディの歌い方、 長々ブロウしがちのブルースを、適度なサイズに、しかし肝は押さえてまとめる潔さ。
これ、ピアノがウィントン・ケリーだからだろうな。
後にファンキー路線をひた走るようになる相棒、ボビー・ティモンズだったらもっとゴリ押しの演奏になったと思います。
だからとても普段着、でも「丁寧」なキャノンボールにひょっとしたら物足りなさを感じる人がいるかもしれない。
でも、私は数少ない1ホーンのキャノンボールはこのアルバムがとても好きなのです。
本日のタイトルは若い人にはわかりにくいかもしれませんですね。
Takes Chargeをそのまま訳すとこうなるようですよ。(よい意味で)「指図する」って感じ?
では「買われたし!」とTakes Charge。
2007年7月26日
夏祭りアルトマンがハードボイルドになる日
お勧めCD:サタデイ・モーニング/ソニー・クリス
待ってました!
という方がどのくらいいらっしゃるか分かりません。
初心者の方にとっておきのご紹介!
というのも
気が引ける1枚
であります。
でも実は私、この人好きなんですよ。レコードでほとんどの作品をカバーしてると思います。
はっきり言って【B級】に入れられてしまう人なんです。
理由は特に初期作品の「ああ、あのひけらかしアルトね」なんて揶揄されるほど 独特のうすっぺらい金属音とハデハデのフレーズで押しまくるスタイルに好き嫌いが分かれます。
でもそこが彼の人間くささが正直に出ていて、
彼のソロって「俺ってさ、ソニー・クリスクリスクリスクリス、ソニー村からやってきた、クリスクリスクリスクリスクリスっていうの、知ってた?」
みたいに聞こえる。
コブシ回し過ぎ。まるで夏祭りで盆踊りのやぐらの上で、カラオケマイクを離さなくなった町会長のハゲオヤジの如くであります。
「うるせーんだよ、e-Saxで吹け!」なんて言い返されそうでもある。
でも、アルト吹きで知らない方がいらっしゃったら、是非聴いてみて下さい。
もっと聴きたいとなった方は、やっぱりアルト中毒です。
何枚か聴くうちに「アルトはこうでなくちゃいけない!」となる方も必ずいらっしゃるでしょう。
この晩年の作品は「へえクリスでもこんなシブイのあったのね」 という比較的落ち着いたハードボイルドに徹した演奏。
いやバリー・ハリスのベースがね。
「俺たちのジャズだからね、渋くやろうじゃないの」って雰囲気なイントロを弾くもんだから、 クリスも抑えたんじゃないか?
CDは彼の生涯と逆に追って行かれるのがいいです。 パーカーと渡り合う1952年録音「イングルウッド・ジャム」なんてのは最後。
2007年6月15日
こんな『父』になりたくてサックスを始めた私っていったい。
お勧めCD:スタン・ゲッツ・プレイズ
父の日であります。
ご推薦アルバムであります。
ジャケットはサックスを始めたオトーさんが必ずまねして(モノクロで)写真撮ります。
でも息子・娘はこんなポーズはなかなかしてくれませんが。
収録曲もオトーさんがテナーで演奏したい曲のオンパレード。
星影のステラ、ティズ・オータム、今宵の君は、恋人よ我に帰れ、身も心も。ゲッツ節も全開で、何度でも聴きなおしたいアルバムでしょう。
ほぼ半世紀前の録音なのに音もすこぶる良いのがうれしい。
恋人と二人で聴くのも、プレゼントするのもグーなCD。
でも演奏でプレゼントできたら、もっと素敵ですよね。
パパがんばれ!!
2007年3月 5日
虹の向こうはフレーズが一杯
お勧めCD:ソニー・ロリンズ・プラス・フォー
「へえ、珍しいのを薦めますね」
という声が聞こえてきます。ここはサックス初心者の人が多く来てくださるサイトですが、どこでも紹介される「ド・定番」以外のものもご紹介する必要があります。
というのも、これはプレイヤーズミュージックと呼ばれることがあるからですね。
そういう意味では、メインカテゴリー違いかもしれません。
《サックスが上手くなる》カテゴリかな?
テナーを練習している方は要チェック情報ですよ。
俗に、このアルバムはロリンズが不調のときに録音されたといわれます。
特に「演奏しない派」のロリンズファンはそう言います。
もっともロリンズ以外がブラウン+ローチクインテットの面々で、
正式メンバーのテナー、ハロルド・ランドが腹を壊して唸っていたので
「じゃあ、そこのおまえ来い」といわれて
「ガッテンだー」とスタジオに入ったのがロリンズだった、
という逸話からジャズは名盤が生まれたりします。(ほんとうかなあ!?)
で、1曲目の「ヴァルス・ホット」をテナーの人は120回くらい聴くのですよ!
なぜってこの曲3拍子の
「オーヴァー・ザ・レインボウ」だから。
ブリッジの前までですけどね。
で、tpのブラウンとtsのロリンズのソロから、
B♭楽器御用達のおいしいフレーズをいっぱいコピーしてください。
アドリブ初心者の方はこういった、《知っている曲のコード進行を持つ別の曲》から「ネタ」をたくさん仕入れて、それをいろんなキーで練習するとよいです。
まあ初心者じゃなくてもこの作業はどこかでやってますけどね。
このワザ(というほどでもないが)に気付くとあなたのフレーズ、
めちゃめちゃ増えます。
2007年1月 9日
スパイス効かそう2007!
お勧めCD:サーフ・ライド
明けましておめでとうございました。
もう、過去形ですね。
皆さん今年もサックス楽しくやりましょう。
1年の始まりだから、何かスタートにふさわしいCDでもご紹介しようかと思います。
迷った挙句に、今年はアート・ペッパー。
玄人職人のスティットをやっぱり年頭にとも思ったんですが、
このダサダサ・ジャケットを年の初めに掲げます。
いやいや、この脱力ジャケット、
新年の福笑い
のように有難いご利益がある気が致しませんか?
ワタクシ、このアルバムは『1年を乗り越えて行く運気』のようなモノが感じられるのです。
当時ペッパーは27歳。
「これから、オイラ『ズージャ』をブリブリかまして行くもんね。 おりゃおりゃ~」
と言ったか言わないか、
知りませんが、とにもかくにも軽快な勢いがあってよろしいのです。
自分がペッパー(胡椒)なら、『ナツメグ』『オレガノ』『チリ・ペッパー』なんていかが?
なんて『調味料シリーズ』のオリジナル曲もイカシテます。
1年をピリリとスパイス効かして、波に乗って行きましょうや!
2006年12月21日
ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
お勧めCD:A NIGHT WITH STRINGS(3)
渡辺貞夫さんであります。
「へー?ナベサダなんて聴くの??」などと失礼なことを言ってはいけません。
だいたい本当のファンはナベサダなんて略称を使いません。
尊敬の念を持って、
「サダオさん」
とお呼びします。
「モーニング・アイランド」でサダオさんを知った方は、その翌年発売されたド・ジャズの「バード・オブ・パラダイス」を買って、
「あの、内容が違うんですけど」
と返品の嵐になった、という悲しむべき時代もありました。
でもサダオさんは、ブラジル音楽やフュージョンを演奏するより、メインストリームの4ビートを奏でるときの方が、活き活きするように感じます。
根っこはやっぱり「パーカー」の人だから、このアルバムでパーカー節を繰り出すサダオさんは本当に気持ち良さそうです。しかもサックス吹きが死ぬ前に一度は演りたい「ウィズ・ストリングス」。
このゴージャスな雰囲気であのチャーミングな「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」のメロディは本当にトロケそうです。
「チクショーこんな風に彼女の前で吹きたい!」アルト吹きの男ならクリスマスの夜に絶対にそう思います。
1年を締めくくる音楽は、メイシオやキャンディでノリノリなのもいいけれど、日本人でこんなしっとり演奏できる大先輩がいることを、私達はもっと誇りに思っていいとおもいます。
皆さんがステキなクリスマスを送れますように。
Merry Christmas to you.
2006年10月 3日
ジョン・コルトレーン1(John Coltrane)
お勧めCD:ブルー・トレイン
「おう、まっとうだねえ」
という声が聞こえそうですが、まあ初心者の人が多く来てくださるサイトですから、こういう黄金の1枚は「知らなきゃズイマですぜ」ということをお伝えしておかなければなりません。
いや、まずいかどうかより、知らなきゃ、はっきり言って人生の損です。
こういう音楽が純粋に「カッコイイ」と思えるようでないといけません。
やれ「ベタ」だなあ なんて往年のジャズファンから見れば超入門版かもしれませんか。
でも、そんなジジイには
「だったらこんな風に吹いてみろ」
と言ってやりたくなります。
3管の重厚なアンサンブル、メロディーの分かりやすさ、疾走するアドリブライン。
ジャズが「カッコイイ!」と思い、こんな音楽を聴けるようになった自分まで「カッコよく」なった気がします。
なに、しない?しない貴方はだいぶひねくれてる。
高尾山の琵琶滝に当たるなりして修行してきなさい。
コルトレーンもカッコイイが、僕がこのアルバムでもっとも光ると感じているのは実は
リー・モーガンのトランペット。
サックス持って、こんな奴とフロント組んで吹けたら死んでもいい(死ぬのはやだけど)と思ったりします。
トランペットはこう吹いてほしいのよ、の見本です。
今年あたりの学園祭は、軟弱なフュージョンじゃなく、こういうハード・バップに真っ向から取り組むバンドはいないもんかのう!
譜面も出てるから、トライしてみてください。
2006年9月15日
ポール・デスモンド(Paul Desmond)
お勧めCD:Jazz at Oberlin
私はひねくれもんですかねえ。だいたいデスモンドをお勧めするなら、テイク・ファイブの入ってる「タイム・アウト」かオルフェのサンバが入った「テイク・テン」になるかもしれません。
でも私はこの「クール且つ熱い」デスモンドが震えるほど好きです。
だってこれ学園祭のライブ録音ですよ。録音状態もそんなに褒められたもんじゃない。
しかしこの美しくあふれ出るインプロビゼーションはどうですか!?
昨今のアルト吹きで、ソロが燃えてくると決まってフラジオでキューキューやってる奴はこういう演奏を聴きなおして欲しい。
高い音が出りゃ偉いのか?
(少し偉いけど)
もちろんアルティッシモ音域は出てくるんだけど、使うならこういう使い方が良いですよ。
「パーディドなんて循環じゃん。」そんなこと言ってるあなた、こんなパーディド吹いてごらんなさい。
平成のプレイヤーでこんな歌心あるインプロビゼーション出来る人おそらくいませんよ。
アマゾンのレビュアーも的確なのでそちらも是非お読みください。
アルト吹きなら、こういうアルバムがマストアイテムだと思うんですけどねえ。
ジャケットデザインがイカシテるでしょ。
2006年9月 1日
フィル・ウッズ(Phil Woods 2)
フィル・ウッズ←公式サイト
お勧めCD:ウォーム・ウッズ
夏が終わったばかりでありますが、暖かくする準備は早いほうが良いのであります。
さてこのアルバムジャケット、いいですねえ。若き日のウッズが暖炉の前で愛犬とくつろいでいる様。で、内容が「このまんま」のリラックスムードであります。エモーショナルなプレイもありますが。プレイに余裕綽々と言う感じなのです。そうね、言ってみればフルパワーの75%で演ってる感じでしょうか。
まず1曲目、In Your Own Sweet Way がはじまると、
「あ~アルトやっててよかったなあ」と思い 「いつかこんな音色で吹きたいなあ」とそれから
20年間思うのであります。
2曲目のEasy Living もアルトをやってる学生さんなら一度はこのソロをコピーしたくなるでしょう。フレーズ的には難しいこともやってないので、耳コピも比較的取り安いと思います。ただ雰囲気がネ。なかなか出せません。
きっと暖炉の前で愛犬とゆっくりこのポーズを取ると良いのかもしれませんが・・・。 ここでもやっぱり《脱力》がテーマだったりしますね。
2006年8月 4日
デクスター・ゴードン1(Dexter Gordon)
お勧めCD:ダディ・プレイズ・ザ・ホーン
今日はワタクシにしてはちょっと珍しいアルバムをご紹介。
「おまえこのテナーものすごく好きか?」
と問われると、
「そ、そんなに・・・」
とつい言ってしまうテナー奏者デクスター・ゴードンであります。
でもたまに取り出して聞いてしまうアルバムがこれ。
テナーやる人に、めちゃくちゃ参考になります!!とはいいません。
なんかこのジャケットどおりなんですよ。
「おいらの父ちゃん、テナー吹くんだ」
「へえ。きいてみようじゃないか」
「こんちは~♪ブォ~ン、ブブブォ~~~ン」
「なるほどねえ」
てな具合です。
ほのぼのテナーって言うんでしょうか。
でも、コンファーメーションを聞いた後のニューヨークの秋はシビレますぜ。
今このアルバムが1000円で買えるたあ、父ちゃん泣けてくらあ!
2006年7月21日
アート・ペッパー2(Art Pepper)
お勧めCD:モダン・アート
「タコ氏は白いのと黒いのとどっちが好きなの?」
と聞かれることがあります。
別に白人だから・黒人だからという聴き方はしません。
「ジャズは黒くねーとダメだ!」
というひともいますが、僕はそこまで偏ってはいません。
白さの代表アート・ペッパー。
僕は彼のアルバムではコイツが最高傑作だと思ってます。
後から素晴らしい未発表テイクも出てきました。でもですよ、でも!
このアルバム、出来ればアラジンセッション盤のLPの曲順で聴いていただきたいのです。
ブルース・インで始まりブルース・アウトで終わる。
これがこのレコードの「物語」なのですよ。
ベン・タッカーのベースとペッパーのDuoで語られるこの2曲が物語の序章と終章。
間に挟まれる「君微笑めば」「恋とは何でしょう」などの曲名からもこのアルバムがただのアルトプレイヤーのCDの一つではなく、タイトルの示す「モダン・アート」という【作品】として鑑賞する必要があると思うのです。
iTunes Music Storeで音楽は簡単に買えるようになりました。でも1枚のアルバムを作品として鑑賞する機会は激減した と思います。
是非サックスを演奏しようと思う方で、このアルバムを聴いたことがなかったら、オリジナルLPの曲順でお聴きいただくことをお勧めします。

