ネジというと、
つげ義春氏の「ねじ式」
をすぐ連想する世代でありますが、
今日は楽器についているネジの話題です。
音色や吹き心地、そしてよく言われるところの「鳴り」。
これに相当影響を与えるリガチャーというパーツがございます。
私も何も考えずとっかえひっかえして、
買い漁ったものです。
さて、次の写真を見ていただいて、
どちらのリガチャーが「鳴り」に貢献する品物と思われますでしょうか?
「左!」
と即答したあなた、
いろんなもの(人?)を見かけだけで判断していませんか?
左のリガチャーは現行のマウスピースを購入したときについてくるもので、
右の「キチャナイ」ものは1万円以上する個体です。
この差は何か?
もっとも設計上どれだけ考えられているかということもあるのですが、
管楽器の「鳴り」に影響するのはモノの材質や製造法。
余談ですが日本にネジが伝来したのは、
種子島に火縄銃が来た時(1543年)と比較的新しい歴史のようです。
良いネジは1本の金属棒にネジ山を「切って」作ります。
もともとネジは皆そうでした。この製造法が右のリガチャーのネジです。
80年代になってリーズナブルな「鋳物」で代用されるようになり、
今では有名メーカーのネジでも「鋳物」が多いです。
左のネジの拡大です。
溶かした金属を型に流し込み冷却したもの(鋳物)で、
真ん中にバリのようなラインがあるので確認できます。
ネジを締めていてポキンと折れたご経験はありませんか?
それはほぼ間違いなく鋳物です。
別に鋳物が悪いというわけではありません。
鋳物は大量生産を可能にした素晴らしい技術ですが、
最近のリガチャー用ネジに関しては金属の丸棒から削りだしたネジよりは劣る、
と私は思います。
だって鳴らないから。
楽器の鳴りに不満が生じた時、
いきなりマウスピースを変えることを検討することもありますが、
ネジを変えてみるだけでびっくりすることもあります。
まあ、現実的にはネジだけ変えるのではなく、
良いネジを使ったリガチャーを選択することになると思います。
私は廻り廻ってjazz settingの場合のリガチャーは、
セルマーのオールド純締めタイプという「なんてことのないもの」に戻ってしまいました。
「あの頃のモノ」が良いってことなんでしょうかね。
現代の優れたものではユーザーの多い以下の選択はどうでしょうか。
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