チャーリー・パーカー入門1

サックステキスト

オムニブック持ってますか?

omniってなんでしょう?「全」、「多」、「普遍」、「無限」等を意味するラテン語(接頭語)。これでビ・バップアルトの神、チャーリー・パーカー すべてがわかる!というわけでしょうか!?

僕は12年前、それまでの独学からはじめてジャズミュージシャンのコーチについたときこの本がテキストでした。
Fのブルース:Au Privaveをゆっくりゆっくりさらいました。でも、このとおり吹いたってパーカーにはなれなかった。
吹奏楽出身でこの譜面を完璧にさらえる人がいてびっくりしますが、どういうわけかジャズに聴こえない。

なぜでしょう?

それは、
吹奏楽は譜面が神様で、ジャズは演奏者が神だから。
こんなことを書くと怒り出す人がいますが、僕の一つの結論なのです。

パーカーの演奏したインプロヴィゼイション(アドリブ)を譜面にしたのであって、譜面を見てパーカーが演奏したのではないということを知らない人が多い。(テーマとコードチェンジ程度はパーカーが書いたものもあります)

クリニック常連のjetswingさん(ご本人の許可を得て掲載しております)は吹奏楽出身ですがAu Privaveフルコーラスをほぼ譜面どおりさらえるんです。(僕のクリニックで初心者じゃない人は彼だけなんです。)

「すごいですね。じゃ、見ないでどこまで吹けますか?」って譜面を閉じたら、

(⌒▽⌒)/””やあ、どうも!

テーマ2小節目で上記の笑顔になられました。

「ジャズが分かった瞬間でした」とおっしゃられてその日はお別れしました。

その1ヵ月後「テーマと戦ってきました」と譜面を見ずに吹くと、見違えるような(聞き違える?)演奏になっていらっしゃいました。

omni bookはパーカーの演奏だけでなくビ・バップ分析に強力な味方となると同時に、ほとんどのジャズミュージシャンが一度は通る「関所」であり、壁にぶち当たったときにまた開いてみる「バイブル」みたいなものだと思います。

一方、ビ・バップスタイルを嫌ってわざと見ない人もいると聞きます。
でも、僕はサックスでジャズをやろうとするなら、一度はこの本がボロボロになるまで取り組む時期があっていいと思います。

omni.jpgCharlie Parker オムニブック