基本に忠実。

えー、新年おめでとうございます。

本日のタイトルは何か、
と申しますと今年の経営スタイルとか、生き方の心構え とか、
不況の時代を乗り切るには、よそ見をせずに【基本に忠実】をコツコツやるのがいいという話を聞きました。

そしてこのフレーズにしっくり来るサックスアーチストは誰かな?と考えて真っ先に思ったのがこの人、ハンク・モブレー。


hank mobley.jpgソウル・ステーション

ジャズテナーの基本といったら、やっぱりレスター・ヤングあたりをご紹介すべきなのかもしれませんが、なんか「真面目にやっていけば今年の夏ごろまで必ずやいいことが訪れる感じのするテナー(なんだそれ?)」はこっちの人の気がするのです。

で、「愛すべきB級テナー」とか「江戸職人気質テナー」とか褒めてるんだかどうだかの称号が付くモブレーですが、テナーサックスという楽器は「こう吹く」と「幸福」である、ということを示してくれるアルバムがこれ。もちろん最高のリズムセクションがこの【幸福】の条件でもありましたが。

セッションで「リメンバー」や「ジス・アイ・ディグ・オブ・ユー 」を指定すると、
「なんだ、モブレー好きか」なんてバカにする人がいますが、そういう人はもう少し基本に忠実な演奏を省みないと、今年あたりはいい思いをしませんですよ。

そしてそして、この録音は管理人である私の生まれた1960年。
まさに基本が始まる60年代であります。

アウトフレーズやフラジオがテナーサックスのかっこよさだと思っている人がいたら、
それはかなり【薄い】テナーといえます。

テナーの基本は聞く人が幸福になる「暖かい音」だと思いませんか?
テナーマンの皆様、ぜひあなたの陽だまりのような音で一人でも多くの人を幸福にしていただきたいと思います。

「リカード・ボサ・ノバ」が入っている「ディッピン」も是非一家に1枚。こちらもご利益がありますので、お茶の間の西側の壁に掲示されるとよさそうです。