オール・オブ・ミー ~ 倍テンを吹きたい! 月刊スタンダード vol.03 

サックスが上手い人達

1988年『 Bird 』という映画が公開されました。言うまでもなくアルトサックスの神、チャーリー(ヤードバード)パーカーのことでありますが、
クリント・イーストウッドの監督で主演はフォレスト・ウィテカー(この作品でカンヌ国際映画祭男優賞を受賞、後年ジョディ・フォスター主演のパニック・ルームで強盗役の方がパーカーっぽくて笑えた)

それはともかく。この映画のサウンドトラックが聴きものなのです。音楽を担当は同じアルト奏者のレニー・ニーハウス。
彼はなんとパーカーのオリジナル録音からサックストラックのみを抽出し、リズムセクションは映画製作当時のミュージシャンによる合作という手法を取ったのです。
パーカーのオリジナル音源は録音状態が良くないものが多いし、サウンドトラックとしてのオリジナリティも出したかったのかもしれません。

その中からセッションでヴォーカルさんに人気の曲、でありつつサックスプレイヤーも度々コールします『オール・オブ・ミー』を取り上げます。

YouTubeではオリジナル音源とサウンドトラックのレコーディング・モンタージュビデオの投稿を見つけましたので、まずはシェア致しましょう。

さて月刊スタンダード、今月の本題「倍テンを吹きたい」です。
倍テン、というのは「倍のテンポ」つまり通常のコード進行に2倍のフレーズを詰め込んで「バラバラバラ~~~」と吹くやつです。

上記パーカーのテイクでも倍テンフレーズでてくるのですが、
よりわかりやすいソニー・スティットのオール・オブ・ミー(キーはBb)がありますので、こちらを採譜しました。

職人芸のような倍テンフレーズの妙が連発するテイクですが、テナーサックスでキーがCになるから、
超わかりやすいD-7 G7 C の2-5-1進行のところで、彼がどういう音の紡ぎ方をしているかを研究してみましょう。

例によりまして、譜面を配置致します。All_Of_Me_stitt_Bb

アルト用Eb、コンサートキーのものがご入用の方、
またレッスンは下記よりお問い合わせくださいませ。