学生時代の友人がリーダーアルバムを出す、ってのはあんまりないんじゃないかなって思います。
少し、いや大変に誇らしい。
時間的、日にち的、いや年数的にたいへん待たされた、と敢えて言いましょう。
もっと早く出ても良かったんだろうけど、彼は、いやこのお二人にとっては今のこのタイミングの発表がベストなのかもしれません。
さて、前フリが長いのは、ワタクシノ思い入れが長いせいでお許しを。
ピクリプ
ギターの爪弾く【ピック】とサックスの吹き込む【リップ】をコンビネーションネームにしたこちらのユニット。
ご存じの方はディープにご存知なんですが、
どちらかというと知らない方にこそ聴いていただきたいサウンド。
ワタクシは永らくジャズ、と言われるフィールドで藻掻いている訳でありますが、
ソプラノサックスの彼は、自分のヴォイスをその楽器に託してからは、
一直線に自己の【歌】を邁進しているように感じます。
ある意味羨ましい。
ジャズではない、フュージョンでもない。
ポップス、とも違う。
そう、ジャンルをどうこう云うことがそもそも意味を持たない、
- ピクリプ、という音楽そのもの
なのです。
彼ら(サックス奏者フクムラサトシとジャズギタリスト河野文彦)の音楽はどんな形容詞を当て嵌めようとも、あまり意味がなくて、
たとえば、ジャケットの風景(これもフクムラ氏撮影)そのままが聴こえる。
休日の安らぎ。
安息の想い出。
見果てぬ夢。
そういった、誰しも心のどこかで、
「あー、この音が聴きたかった」そう想わざるを得ないでしょう。
一家に一枚、といわれるレコード、いやCDが音楽好きにはあると思いますが、
ピクリプのこの一枚は一人一枚と言って良いCDになりました。
さて、内容を私なんぞが解説する意味は全く蛇足ではありますがほんの少し。
お二人のメロディメイカーぶりは、
すべての楽曲で舌を巻きますが、
特にワルツに日本人離れしたセンスを感じます。
個人的に演奏の白眉は8曲目『時雨、掌に』
ホントは有名曲のボーナストラックはシングルにして、
12曲めをラストに聴きたかった。
この曲で私は泣きました。
私のブログサイトでソプラノを押すのはあまりなかったけど、
これは、ソプラノ・ファースト!
ぜひ、アナタにも聴いていただきたい一枚 [Sweet Home] ピクリプです。
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