ハヤシもあるでよ~オール・ザ・シングス・ユー・アー 月刊スタンダード vol.06

サックスが上手い人達

ジャズメンはある曲(すでにスタンダードとなった)のコード進行を借りて、そこにオリジナルメロディを乗せ自分の楽曲としてリリースすることがあります。ハヤシもあるでよ、的な?ちがうか。

もちろんジャズに限らず、J-POPだって大ヒット曲はたいていカノン進行だし、音楽理論のことに関心があまりない人たちはその事実に気づくこともありません。

話は戻りましてジャズの楽曲で、「あれ?この曲あの進行じゃん。」と気づくことが嬉しかったりする。僕の場合これでした。

メッセンジャーズ、好きですからね。
トランペットのケニー・ダーハム作とクレジットされておりますこの曲は「プリンス・アルバート」。
曲名はそのままですとイギリスのヴィクトリア女王の旦那の名前らしいですが、当時の米国の俗語では【丈の長いフロックコート】を指して呼んだそうであります。メンバーのホレス・シルバーが着ていたからかな?

で、本題は。
この曲のコード進行は「All The Things You Are」であります。J-POPが取り入れるカノン進行みたいに単純ではない、というか非常に特徴的・魅力的(だよな?)なこの進行によくもまあ大胆に違うメロディを乗っけちまったもんです。

で、ソロをどう取るか。
お勉強にはまず【わかる】ところから入るのがよろしい。
で、Sonny Stitt大先生の登場。

このレコードでは先生、「バリトーン(バリトンサックスじゃないよ)」と言う電気じかけのサックスを吹いておられます。
当時、ロックの要素がジャズのフィールドにも押し寄せてきて、ジャズメンたちも少なからず影響を受けました。

ジャズ・ロックなんかっつって、大胆にエイトビートを取り入れて、リー・モーガンが【サイドワインダー】をやったりしましたが、スティット先生は電気仕掛けでもやってることは全くおんなじビ・バップ、さすが。

例によりましてワンコーラス取りましたのでご利用はこちら。All The Things You Are Sonny Stitt